瞳が親しい友人に送った結婚報告の絵葉書

ひとつの家のなかで,ひとりの男性といっしょです。私は彼の私,という気持ちに率直になれるときもあって,これはこれで快適なものです。遊びに来てください。夫婦で歓迎します。

ぼくは,子の字のつく名前が,好みだ。最後には子の字がついていて,いちばんはじめに美の字がある名前だ。そして,美と子とのあいだには,意味がありそうでなさそうな一字がはさまっているといい。・・・瞳という名前はぼくに合わない,と直感的に,かつてぼくは思ったことがある。


その通り二年後に別れることになります。そんなに意味のある物語ではないのです。
片岡さんはこの本のあとがきで,こんなことを書いています。

ひとつのストーリーを手に入れるきっかけは,その気になりさえすれば,日常のいたるところにあるようだ。