殺人を犯したクリスマスが逮捕される。その彼も殺される。殺したのは軍隊に憧れていた男。
クリスマスの生い立ちも語られます。彼の父親は黒人の血が混じっていると言われているサーカスの男。その男と逃げようとしてクリスマスからみて,黒人を嫌う祖父につかまり,男は殺され,母親もクリスマスを生んで死にます。そして,祖父はクリスマスをどこかにやってしまいます。
このように,登場人物すべてが悪意というか善意というものからほど遠い生き方をしています。
フォークナーという作家は,黒人奴隷制度というより,人の本質的な悪意というもの,宗教でいうイノセントと反対なもの,シンなのでしょうか,そういうものを描いているようです。