この本は小川洋子さんの芥川賞受賞作品である”妊娠カレンダー”を含んだ3つの作品がおさめられています。
姉の妊娠。妊娠と言えば本来なら喜ぶべきことなのですが,この物語の主人公である妹はなんらかの不安を感じます。
ただ,この物語で作者である小川洋子さんって何を語りたかったのだろうと考えてしまいます。明瞭なものを感じさせてくれません。
世の中に満ちている幸福と呼ばれていることに対する不安なのでしょうか。どんなことにも小さな躓きがあります。そんなことを考え始めるとどんどん不安はふくらんでいきます。どこで間違えたのかな・・・と考えてしまうことがあります。
こんなことを書かれたのでしょうか。。。
二つ目のいとこの男子学生が学生寮に入る「ドミトリイ」という作品。この寮には主人公の女性がかつて入っていたところです。彼女はいとこを訪ねていくのですが,なぜか会えません。彼女は寮を管理している先生と呼ばれている人物と話をするのですが,なぜか天井のシミが気になります。。。
三つ目の物語は「夕暮れと給食室と雨のプール」。婚約して夫が来るのを待っている女性の元に子供連れの宗教の勧誘を思わせる親子連れが訪ねてきます。彼らと再び会ったのが小学校の給食室の前。その男は給食室にまつわる昔話を語ります。