この本は「死霊」で「しれい」です。
「しりょう」ではありません。したがって,ホラーものではありません。
若い人で,この本のことを知っている人は少ないと思います。
僕も大学以来の〇十年ぶりに読み返しました。この本は1976年に第一冊で,僕のは1979年発刊のものです。第1章から第7章まで収録されてます。僕は第八章までしか読んでなく,ふと最後の第九章まで読んでみたくなり再読を始めました。
埴谷雄高さんはドストエフスキーに対する造詣が深く「悪霊」が底本ともいえmます。
この本にも,革命組織の上部組織を批判した青年が殺されるという場面が出てきます。ただ,内容的には非常に形而上学的で,読んでいて意味不明です。ただ,主人公たちを取り巻く雰囲気は異常だとも言えます。
この本を昔読んでいた時のBGMは中島みゆきの「生きていてもいいですか」というアルバムでした。その中の,エレーンとか異国という歌がとても雰囲気にフィットしていた記憶があります。
例えば,この本で,人間が自由意志でできることの二つは自殺と子供を作らないことだ,とあります・・・・