本の帯には,「かつてカルト集団・・・」とありますが,ここに登場するミライの学校は,カルト集団というカテゴリーにははいらないのではないかとも思います。
むしろ,そんなところに入れられた子供たちの実情,大人たちの事情ということが書かれてます。
大人たちの事情の一つとして児童の保育所の待機問題も取り上げられています。子育てについての悩み,このあたりは辻村深月さん自身の子育ての経験が反映されているのではないかと思います。
これらの記述は,初期の頃の辻村深月作品のように,ダークな面がよく書かれていると思います。僕は,このようなダークな辻村作品が好きなので,この本は面白く読ませてもらいました。