この巻は,作者の分身たるランドルフ・カーターを主人公としている一連の物語です。最初の方はカーターが主人公なのか不明です。ラヴクラフトが短編を書きながら次第に集束していったのでしょうね。
最後の「未知なるカダスに夢を求めて」は中編でこの巻で一番の圧巻でした。読んでいる時は,これは「アラビアン・ナイト」の世界だと思えるほどでした。解説を読むと,ダンセイニ風ということが書かれてたので,??と思ってダンセイニを調べました。
ダンセイニとは,ロード・ダンセイニというアイルランドのファンタジー作家で,独自の神話体系が作風だそうです。機会があれば読んでみたい作家さんです。