今年,NHKの「100分で名著」で取り上げられた作品です。作者のスヴェトラーナは,ベラルーシ出身で2015年にノーベル文学賞を受賞しました。しかし,彼女はルカシェンコ大統領より裏切り者として非難され,西ヨーロッパに亡命し,ベラルーシでは出版禁止になっているのだそうです。
この作品はソ連時代の発表されましたが,当局からいろいろ削除されました。現在,発刊されているものは削除部分が復活しています。
内容は,第二次世界大戦に参加した女性達の声です。
戦争に参加したソ連の女性は,祖国のために戦ったのにも拘わらず戦争後,国内で非難され皆口を閉ざしていたのです。
泣けてきちゃうよ。でもこれは残るようにしなけりゃいけないよ,いけない。伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。あたしたちの泣き叫ぶ声が。
一つは憎しみのための心,もう一つは愛情のための心ってことはありえないだよ。人間には心が一つしかない,自分の心をどうやって救うかって,いつもそのことを考えてきたよ。