主人公はもちろん,赤毛のアン。彼女の夢想。グリン・ギブルスに引き取られなかったら,マッチ売りの少女になっていたかも,と思ってしまいました。
アンがいろいろなことを想像するのは,自分の置かれた環境から抜け出すことができる逃避であり,自己防衛だったのかな,とも思います。
僕は,そんなアンを引き取った,マシュウとマリラの兄妹のことが,すごく気にかかりました。著者のモンゴメリ自身も,心情については,アンよりもマリラの方を中心に描いているように読み取れました。もっとも,アンは自分の気持ちすべてを口に出してしまうのですが。。。

曲がり角をまがったさきになにがあるのかはわからないの。でも,きっといちばんよいものにちがいないと思うの。

そして,道にはつねに曲がり角があるのだ。