故あって再読。
初読の時と違って,なぜか面白く読めた。最初の時は,時間が交錯するプロットにとまどい,メタフィクション形式に馴染めなかったことが原因かもです。ヴォネガットの他の作品も2作ほど読んだこともあり,ヴォネガットがどういう作家であるかも理解が深まったということも要因かな。
ところで,ドレスデンの空襲の被害は,実際はこの本ほどではなかったということであるけど,犠牲者の多寡は問題ではないかな。このドレスデンの空襲での問題は,戦争末期で空爆の必要性があったのか,連合国はしばらくの間,この空爆について隠していたというにあるのでしょう。
ヴォネガットが活躍していた当時は,核戦争の危機が叫ばれていた時代です。今は,それがなくなったということはありません。いまだに核兵器は変わらず存在しているのです。大国同士の戦争というより,地域紛争が主戦場で通常兵器がメインですが,いつ危機が訪れるかは分かりません。この本で,宇宙の最後はトラルファマドール星人の宇宙ロケットの新型エンジンの爆発によるものだそうです。冷戦の中,ボタンの押し間違えも心配されてました。そういえば,そういう映画もありました。題名は忘れましたが。。。