「侍女の物語」の続編で,アトウッドさん2回目のブッカー賞受賞作品です。
この物語はアメリカ合衆国が反乱によりギレアデ共和国というディストピア社会が舞台です。キリスト教原理主義とも言える女性の地位が非常に低い社会です。
前作の「侍女の物語」では子供を産むためだけの代理母となり<侍女>は主人公でしたが,この「誓願」では立場の違う3人の女性の物語です。この3人の人生が次第に絡み合い,最後は怒涛のサスペンスとも言える展開になっていきます。非常に面白く読ませていただきました。
昼間テレビを観てたら,アフガニスタンのタリバンの女性に対する政策についてやってました。かつてのタリバン支配下のアフガニスタンは,この物語との同じような状況だったんだなと感じました。
こういう物語を読むことで,僕らは想像力を働かせることが必要だなと思いました。
ところで,たとえどんなひどい結果になっても,善意と言いさえすれば,言い訳として立派に通るものなんだろうか?
なにかをなんとも思うか,思わないか,それは他人が云々することじゃない。
・・・狂信者なので道徳に沿って生きることと人殺しと矛盾しないんだそうだ。そういう人たちにとって,人殺しは道徳にかなった行いだから。