表紙がリッケンバッカーのギターのネック。ビートルズです。
この本は,エッセイ集です。ビートルズについての記述あります。
「リボルバー」のジャケの写真のことなど。
たまに,フィクションも入ってます,と言うか,フィクションとノンフィクションの区別がつきません。
片岡さんって,小説を地のままでいくような生活を送っていらっしゃるようですね。うらやましいかぎりです。

 ひさしぶりに彼女に会った。夏のまっさかりの日に会って以来だから,ひさしぶりなのだ。いまは,すでに秋が深い。落葉樹の葉は光合成を終りつつあり,日没の太陽の光を高くたなびいている絹雲が静かに照りかえしている。
 真夏にはほんとうに溌溂とした夏の女であった彼女は,秋深くに会うともののみごとに秋の女になっていた。服や髪のつくりは言うにおよばず,声のトーンから表情,身のこなしにいたるまで,秋そのものであり,美しかった。淡い微笑が秋風によく似合っていた。

 

片岡さんの本を読んでると女性の素晴らしさに魅了されます。