先日は家にあった岩波文庫版でしたが,今回は新潮文庫版で読んでみました。こっちのが初版は古いのですね。

今回,読んでいて思ったことは,家族の立場。

妹のグレーテは,最初は兄に同情的な態度をとっていますが,次第に心が離れていきます。

最後は,グレーゴルの死によって,家族は精神的に救われてしまうのですね。寂しいものです。

家族の役割を果たせなくなったら,それはある意味,「変身」なのでしょうね。

平野啓一郎さんの「最後の変身」は,ひきこもりでした。

高齢化が進む中では,認知症も「変身」になるのでしょう。

「半落ち」などは悲しい物語でしたね。

いずれにしても,カフカの「変身」でも,その答えは見つかりません。