それまでは夫人と近づきになるために世界中の力を結集しても,不思議な恋のひきおこす不運の前には,そんな努力もあえなく潰えるほかなかった。

主人公の「私」がこう語るように,どんな努力をしても近づきなれなかったゲルマント公爵夫人。その気持ちをあきらめたとたんに,そのサロンに招待されます。
そこで繰り広げられる上流貴族の人々の会話。
「私」は幻滅を感じます。ゲルマント公爵は,自分の家系がどこにつながっているかを自慢にならないように話す。上流貴族の間では,貴族ということを自慢しないように,そして,身分の低い者には,それも自慢にならぬように。。。こうしたことに対し「私」は,理解していきます。
このあたりは,読んでいて,人名たくさん出てきて読むのにつかれます。フランスの人は分かるのでしょうが。。。まあ,そいった雰囲気がわかればよいのかなと思います。

そんな自負に支えられているから,へりくだるのを怖れず,偉大さを競う者とてなく,愛想よくすれば相手が喜ぶことを心得ているがゆえに,そんなふうに相手を喜ばせて自分も喜ぶのだ。

・・・・真の学者が知識をなんら重視しないから,無学な者よりも他人に気後れを感じさせないのと同じであろう。


そして,「私」はシャルリュス男爵の元を訪れます。シャルリュス男爵からの,いわれなき批難。これは,次の「ソドムとゴモラ」につながっていきます。
注にやーなーの言葉が紹介されてました。

私の仕事は,見えるように描くことであり,知っているように描くことではない。