これ雑誌「ダ・ヴィンチ」の「BOOK OF THE YEAR2020」の小説ランキングで第2位だったんで読んでみました。ちなみに,1位は十二国記「白銀の墟 玄の月」です。
ということで,第2位ということで,面白かったです。
5つの短編が収められていて,そのどれもが子供の頃を振り返っての物語。小学校・中学校の時に,どんなことをしていて,今,どんな大人になっているかというような短編。教師とか読むのもいいかもです。
「逆ソクラテス」では,ソクラテスの反対のような自分が完全じゃないということを知らない担任を見返す話。
「スロウではない」は,転校してきた少女はいじめられたことが原因だと思っていたんだけど・・・な話。
「非オプティマス」は,トランスフォーマーのオプティマスプライムの言う「私にいい考えがある」といううまくいかないセリフからのもの。頼りない担任の先生の実際は・・・な話。
「アンスポーツマンライク」これは,バスケットファールのこと。小学校のミニバスでいっしょだった五人の話。
「逆ワシントン」は,継父から虐待にあってるのではないかと心配した級友は,証拠をつかむためにドローンを飛ばすのだが・・・
物語の展開は,伊坂幸太郎さんの雰囲気ありありで,ただの感動ものではないです。独特な皮肉っぽいところがあり,楽しい話。
この本には,書店に一つ短編が載っている小冊子が無料で置かれてます。
それから,表紙のイラストがいいですね。