灰色のピーターパン

野獣とリユニオン

駅前無認可ガーデン

池袋フェニックス計画

 

という4つのストーリーで、僕的にはどれも面白かった

 

この底にたまった佐藤が案外うまいな。ぼくが甘いのかもしれないけど、相手を人間じゃないものにして、恐れたり憎んだりし続けるのは、きっと自分の心のためによくないと思う。シェフにはなれなかったけど、きっとぼくにはほかにもできることがあるはずだ。憎しみの場所にいつまでも立っていたくない。まだあいつが憎いけど、それを越えていきたい。

「野獣とリユニオン」

 

これは、イタリアンシェフを目指していた男が、理不尽にも暴漢のためにその夢をあきらめなくてはいけなくなり、謝罪に来た彼に言った言葉。この事件を調べていたマコトは、

なぜ、おれたちの世界では不幸な者同士が、おたがいの夢を壊しあうのだろう。

と言う。壊し合わないようにマコトは、解決していく。

 

「駅前無認可ガーデン」では、ロリコン男をつかまえる。

池袋の街でライ麦畑のキャッチャーになるのだ。公園の端にはどこまでも深い崖が口を開けていて、底には無数のロリコン男が待っている。そこに落ちそうになった子どもをおれとテツオが救うのだ。まったく悪くない話。

サリンジャーやん。僕ら大人は、どこかではライ麦畑のキャッチャーにならないといけないだろうね。

 

池袋フェニックス計画では、副都知事が池袋の浄化対策に本格的に乗り出す。

おれたち日本人は、すべてを管理しなきゃならないという強迫観念にとりつかれてしまったのかもしれない。

 

だが、おれたちの人生は白と黒だけじゃないはずだ。わずかな濁りもない完璧な純白やまるで光りのささない完璧な暗黒なんて、あんただって見たことはないだろう。おれたちはみんな灰色で、生まれたときから光りも闇も同じ量だけ分かちもっている。

 

そんな思いのマコトが、この浄化政策の中で、おこったホストクラブからの借金で行方不明になった姉を探してほしいと依頼を解決するなかで、どう行動するのか。。。

 

今回の6巻の「灰色のピーターパン」は非常に面白く読ませてもらいました。