僕は、若いころ、片岡義男が好きだった。年齢を重ねた現在、あの頃が懐かしくて、片岡作品を探して、読み続けている。あのなんとも言えない、平和な非日常的な世界が、おしゃれなのがいい。
今回、読んだのが「ラジオが泣いた夜」という短編集。
「至近距離」という一作目。えっ、これ片岡作品なのというバイオレンスさ。
二作目の本の題名にもなっている「ラジオが泣いた夜」。えっ、片岡さん、女性をこんなふうに扱っちゃうの?というもの。
三作目の「白い町」。これも、白い町で、白い服を着てきた彼女を、銃で赤く染める・・・
四作目は「夜行ならブルースがきこえる」も、手に入れた銃で・・・ と、バイオレンスが続く。
そして五作目は題名の通り「明日が来るわけはない」
六作目の「ハッピーエンド」は、バイオレンスながら、女を守る男の話。この後の作品はと思ったけど、七作目「高原のティータイム」。・・・・え
八作目の「心をこめてカボチャ畑にすわる」 これは銃は出てくるけど、ま、いいかな
最後の「俺を起こして、さよならと言った」で、なんとか、いつもの片岡さんに戻った。最後のセリフがよかった。
「無理はしないことよ。男は飲めない深酒、女は似合わない厚化粧。どっちも、結局、ろくなことないんだから」