2022年フランスにイスラーム政権誕生! という作品
奇しくも、この「服従」が発売された日に、シャルリー・エブドのテロ当日に発売されたという。。。フランスでは、女性のヴェールが法律で禁止されてるほどの国なんだけど。
主人公は、フランソワというユイスマンを研究する大学教授。ユイスマンは改宗した経歴をもつ作家。イスラム政権誕生とともに、大学教授の座を奪われる。最終的には、イスラムに改宗することで、大学教授に戻ることができる。
作品の中では、大統領選の中で、イスラム政権がどのように誕生していったのかが、背景として述べられている。主人公のフランソワの改宗の理由が、一夫多妻制にあるように描かれているのだけど、そうした心理に働きかけていくものがあるのだろうか。先日読んだ「となりのイスラム」では、一夫多妻制については、違った書き方もしてあったけれども。
『O嬢の物語』にあるのは、服従です。人間の絶対的な幸福が服従にあるということは、それ以上にこうれだけの力をもって表明されたことがなかった。それがすべてを反転させる思想なのです。
イスラームが目的としているように、人間が神に服従することの間には関係があるのです。
服従を自立しなくてもいいというように捉えるならば、生きることは、ずいぶん楽なんだけれど、それでいいかという問題かな。。。この物語にも出てくるけど、ニーチェの「神は死んだ」というように超人的に生きるのは難しいことなんでしょうね。