ずいぶん前に壱を読んで、ひさびさに弐を読んだ。理由は、BOOKOFFに売ってたからなんですが。
壱買った時は、夢枕獏さんの「陰陽師」を読んでた時なので、それに類するものと思って読んだ。あっさり期待は裏切られたのが現実。理由は、物の怪とかは出てこない。時は平安時代なので、魑魅魍魎が暗躍する時代。主人公は左近衛中将・宣能(のぶよし)。父親は右大臣。この中将が、怪異を好み、本当の怪異を見ようとするのだが、どれも理由のあるものばかり。この宣能に付き従うのが、怪異を大いに嫌う怖がりの宇兵衛佐・宗孝。平安時代は、こちらの方が普通だったようである。
この二人が「泣き石」を見に行った時に、赤子を拾ってしまう。この赤子はいったい誰の子なのか。在原業平と斎宮との恋物語である「伊勢物語」が下地となっている。
最も、この物語。どうやら、宣能と父右大臣との確執が裏にあるようで、王朝内でのうごめく権謀術数が怖そうな雰囲気がでてきた。