前回の記事で、ネジ付きアルミ缶の水に潜む意外なリスクとして「開閉時に指を切る危険性」を取り上げました。読者の皆さんからも、「実際に怪我をした」「注意していたけど危なかった」などの声が多数寄せられました。今回は、その後の動きやメーカー側の対応、そして新たに見えてきた課題について掘り下げます。

 

1. なぜネジ付きアルミ缶は広がっているのか?

安全面の問題が指摘されつつも、ネジ付きアルミ缶の水は市場で着実に広がっています。その背景には、いくつかの要因があります。

① 環境負荷の低減

ペットボトルに比べてアルミ缶はリサイクルしやすく、リサイクル率も高いため、「脱プラスチック」の流れの中で注目されています。特に、紙パックやペットボトルに代わる新しい選択肢として、SDGsの観点からも支持されることが多いです。

② 冷却性能の高さ

アルミ缶は熱伝導率が高いため、冷たい水を素早く冷やし、長時間キープすることができます。特に、スポーツやアウトドアシーンでは、冷たいまま飲める点が評価されています。

③ 高級感の演出

ペットボトルの水と比べて「特別感」があり、デザイン性の高さも相まって、高級志向のユーザーに選ばれやすい傾向があります。特にホテルや飲食店では、アルミ缶の水を提供するケースが増えています。

しかし、これらのメリットがある一方で、開けにくさや怪我のリスクといった課題も残っています。

 

2. 実際に怪我をした人たちの声

前回の記事以降、SNSやメールで多くの体験談が寄せられました。特に多かったのが以下のようなケースです。

ケース①:子どもが誤って開けようとして怪我

「環境に優しいと思って買ったけど、子どもが開けようとして手を滑らせ、指を切ってしまいました。普通のペットボトルならこんなことはなかったのに…」(30代女性)

ケース②:アウトドアでの使用中に負傷

「登山中に使おうとしたら、汗で手が滑って思いっきり力を入れてしまい、金属のフチで親指を切った。応急処置をしたけど、出血が多くて焦りました」(40代男性)

ケース③:爪を傷める人も多数

「爪が長い状態で開けようとしたら、キャップの金属部分が爪に引っかかり、割れてしまいました。もう少し女性向けのデザインも考えてほしい」(20代女性)

これらの声を受け、消費者側でも対策が求められています。

 

3. 消費者ができる対策

メーカーの改良が進む一方で、現状ではまだ従来のネジ付きアルミ缶が多く流通しています。安全に使用するために、消費者側でも以下の対策を意識しましょう。

① 手を乾いた状態にして開ける

汗や水で手が濡れていると滑りやすくなり、強く握ることで指を切るリスクが高まります。タオルやハンカチで手を拭いてから開けるようにしましょう。

② ゴム手袋や布を使って開ける

キャップが固くて開けにくい場合、直接手で回すのではなく、ゴム手袋やタオルを使うと滑りにくく、安全に開けられます。特に寒い季節は金属が冷えて硬くなりがちなので、布を使うのがおすすめです。

③ 深爪や指の保護を意識する

爪が長いと、キャップに引っかかって割れるリスクがあるため、爪を短くしておくのも一つの対策です。また、アウトドアやスポーツ時には指を保護するバンドエイドなどを持っておくと安心です。

 

まとめ

ネジ付きアルミ缶の水は、環境に優しい選択肢として注目されていますが、安全性やリサイクルの課題が浮かび上がってきました。メーカー側の改良が進む一方で、消費者も使い方を工夫し、安全に利用することが求められています。

今後は、より開けやすく、リサイクルしやすいデザインの開発が期待されます。また、アルミ缶の普及に伴い、リサイクルの仕組みも見直される可能性があります。環境負荷を減らしながら、安全で使いやすい製品が増えていくことを願いたいですね。