巾着を盗られた派遣スタッフは、社員さんにどんな巾着かなど詳しく聞かれていました。社員さんも探してくれていました。
そんな中派遣スタッフが
「絶対に盗られたんやと思います。犯人は●●さん(障害者雇用のスタッフ)以外考えられません。●●さんに巾着の事聞いてもらえませんか」
と社員さんに言いました。かなり怒ったような、物凄い剣幕で言いました。
しかし社員さんは
「証拠もなしに決めつけないで。●●さんはトイレ掃除もしてるから、疑いたくなるんやろうけど。●●さんに話しても何処まで理解して会話出来るか分からないから。一応話すだけ話してみるけど、期待しないで」
と言ったそうです。
派遣スタッフは
「元々盗られたら嫌やから、安い巾着に入れて置いててん。でも安いとは言え、気に入ってる巾着やったから、絶対許されへん」
と言っていました。
私はその後の詳細は覚えていないのですが、後日障害者雇用のスタッフと、その父親が一緒に職場に入ってきたのを見ました。これまで父親が迎えに来ているのを見た事がありましたが、ロッカールームの外で出てくるのを待っていたので、一緒に職場に入って来たのは初めてでした。
失くなった巾着が見つかったのかどうかも、覚えていません。
ここからは私の推測ですが、女性社員が障害者雇用のスタッフに、キャクターものの巾着に見覚えないかと聞いたのだと思います。それは本人に聞いてみると言っていたらしいので、呼び出して聞いたのだと思います。
これまで彼女は社員に何か指示されて頷いている場面を見た事はありますが、喋っている声を聞いた事がほとんどありません。
なので頷くか首を振るかで返答出来るような形で質問をしたのではないかと思います。
父親がやって来たと言う事は、父親も交えて話をした方がいいと思ったのではないかと思います。やはり彼女と女性社員の1:1で話を進めるのは難しかったのかもしれません。
もしも本当に彼女が盗ったとなれば窃盗です。しかし私はその後どうなったか覚えていません。彼女はその後も変わらず働いています。
巾着の盗難の話は職場内全体に広まり、女性社員から
「どうしても盗られたくない大事なポーチや巾着は持ち込まないように。盗られてもいいような、安物のポーチなどに入れて下さい。生理用品そのまま裸で持ち込むのは、勝手に使われてしまう可能性が高くなるから、裸で置いておくのはやめてください。稀にポーチの中のを1枚盗られてしまう事もあるみたいですが、どうしても困った時は使うのは仕方ないとして、後で同じポーチに使った分返してあげてください。決して他人のポーチや巾着を持ち帰らないように」
と通達がありました。
皆心の中ではやっぱり犯人は障害者雇用の彼女ではないかと、何処か疑っていたと思います。それはやはり巾着を盗られた派遣スタッフが話す理由の通り、製造ラインメンバーの女性なら、みんな一緒に休憩に行くし、帰る時間も同じだし、集団で固まってるから不審な動きをすればバレるから、常に1人で行動している障害者雇用の彼女しか考えられないと思っているのだと思います。
他に女性社員はライン作業ではなく、製造現場内の事務所で、事務作業中心に仕事をしていました。女性社員は2人いて、どちらも交代で休憩を取ったり、早番遅番と分かれたシフトだったので、1人でいる事が多かったです。
しかし女性社員は事務作業中心で、掃除をする事はありません。それにまともな一般常識のある正社員と、人と喋れない障害者雇用のスタッフだと、どうしても障害者雇用のスタッフを疑いたくなるのでしょう。
建前では弱者だからと守る気持ちを持ちながらも、本音では何問題が起きれば障害者が起こしたのではないかと疑い、だから障害者は〜と批判的な気持ちになります。
その当時働いていた工場は、ライン作業は女性の派遣とパートばかりで、人間関係は色々ありました。仲の良いグループ同士でも、1人欠けたら欠けた人の悪口で盛り上がるとか、同じラインでも本人には聞こえないところで悪口を言うのなんて、頻繁にありました。
表立ってイジメるとか、本人に対して悪口を直接言う事はありませんでしたが、ギスギスしていました。
過去には小さないざこざもあったと聞きました。
人間関係が悪くても仲の良い人がいて、その人達と楽しく会話が出来て、直接嫌な事を言われたりされたりしなければ、仕事内容や給料に不満はなかったので、毎日充実していました。
しかし派遣からパートになり、仲の良かった人がパートにならずに辞めて行き、他に仲の良かった派遣からパートになった人と上手くいかなくなりました。人が減った分私の仕事の負担が増え、定時に終わらなくなりました。誰も同じラインの人が手伝いに来てくれる事はなく、私も皆んなに嫌われていると知っていて同じラインのメンバーに頼む勇気がなく、1人残って仕事をしていました。
社員に見つかると
「もう皆んな帰ったよ。サーモンさんも時間過ぎてるし、早く帰りなさい」
と言われるのですが、その日やる事を終わらせずに帰る事は出来ませんでした。
仲の良かった人に相談しても
「昼休みに早く戻って来てやったらいいやん」
と言われたり。
「その日の生産終わってからじゃないと。片付け作業と明日の準備やから」
と言えば
「だったら明日の準備は次の日朝早くに来て、朝礼前に1人でやれば」
と。
その言葉で
「私の仕事だから私がやれって言われてるんやな。早く終わったら手伝いに行くとは誰も言ってくれないんやな」
と思いました。
実際にその仲良かった人とも、仲が悪くなってからは、私が話しかけない限り話しかけて来なくなりました。その人とはラインが違ったのですが、その人のラインの生産が早く終わり、手が空いたとしても、やる事なくて掃除をしていたとしても
「手空いたんで、手伝います」
とは言いに来ません。
同じラインのメンバーが終礼に参加し、帰って行くのが見えて、まだ終わってない私の存在を知りながらも、誰も声を掛けてくれない状態が続きました。
社員に相談する勇気がありませんでした。
仲良かった人からの
「サーモンさんの仕事はサーモンさん1人でやらないと」
と言う言葉が残り、手伝ってもらおうだなんて甘い考えなのかもと思いました。
しかし同じ事ラインの他のパートさんは、仕事が終わる時間になってもまだ終わらない時は、まだ残る契約社員に仕事を引き継いでもらっていたり、他のラインの手の空いたパートさんが手伝いに来たりして協力しています。
それなのに私は仲良かった人からの拒絶により、誰にも頼めず益々孤立し、精神的に辛くなりました。
それでパートは半年毎の契約更新なのですが、一年で更新せずに辞めることを決めました。
仲良かった人も、他に仲の良い人はいましたが、結局は嫌われていました。私が退職する月、同じ時期に退職する人が他にもいました。その人達の送別会を開くことになり、男性の契約社員、女性パートの仲良しメンバーは声を掛けられ、参加する事になりました。
皆んな
「今月末で退職する人の送別会」
と話していましたが、私だって退職します。そのことは皆んな知っているのに、誰もその事に触れません。私は送別会に呼ばれもしません。
一度仲良かった人に
「送別会行くの」
と聞きましたが
「私は呼ばれてないから」
と言われました。
他にも私に優しく接してくれて、EXILEのDVDを貸してくれた女性パートさんがいたのですが、その人から
「サーモンさんも送別会行くやろサーモンだって辞めるんやし」
と言われました。その人は誰とでも仲良くて、皆んなに優しくて、特定の人から嫌われてもないパートさんで、私が皆んなから嫌われている事など知らないのかもしれません。
「送別会聞いてないです」
と言うと
「そうなんサーモンさんだって辞めるんやし、参加していいと思うよ。って言うか参加すべきとちゃう声掛け忘れたらんかなその内幹事から声掛けられると思うよ。3月●日、場所は✖️✖️で■時からやし、おいでよ」
と言われました。
しかし幹事が誰か知りませんが、幹事が退職者に声掛け忘れる事はないと思います。最初から私を呼ぶつもりなどないから、声をかけなかったのだと思います。