セブ島も今日が最後。
朝4時半起きで、バスジェルをたっぷり入れ泡泡にしたバスタブに身を沈める。
名残惜しさもあるが、いつか終わるから旅、なのだ。
永遠のものに人は惹かれない。
さくらの木の下で宴を繰り広げる私たち日本人は特に。
はかないから美しい。
終わりがあるから求めたくなる。
モーニングコールは5時の約束だった。
しかしながらかかってこない。5時半になってもかかってこない。
しびれを切らせて、そろそろ部屋を出るか、という5時40分、電話が鳴る。
「ロビーにいますか?大丈夫ですか?」
とか言っている。
ロビーにいますか?ってアンタ、電話出ている時点で部屋にいるって分かっているだろうが。
モーニングコールを忘れた自身の瑕疵について論点をずらそうという作戦か。
少々むっとしながら、降りていく。
すると、来るはずだったはずのガイドが別の仕事が入ったので、代わりに来た、とか言っている。
「アンケートに答えてくれ」とガイドの評価なんかのアンケートを渡される。旦那が書く間、ずーっと横から露骨に覗きこんでいる。おかげで本音を書けるわけもなく全て“普通”。ノノサンをもっと褒めるように書けばよかったのにぃと旦那に文句を言う。まあもう二度と会うわけでなし、別にいいか。
空港まで早朝の町をひた走る。この風景も見納めだ。
朝5時代は逆に日中よりも道端を行く人が見受けられる。日中は暑いから朝のうちに働くのかな?
たくさんの勤め人を積んだジプニーを追い越しながらバスは行く。
早朝だから空港のお店はどこもやっていないだろうとの読みで、ホテルの売店でペソを使い果たしてきてしまったが、どの店も開いていた。絵葉書とかペンとか買えるくらいのお金残してくればよかったな。ホテルの売店の半額くらいだし。
DUTY FREEもある。DUTY FREEはドライマンゴーやお菓子類はなかなかいいものがたくさんあったものの、化粧品や装飾品、バッグなどは流行遅れの微妙なモノが多い。買い物を絡めたいなら、首都のマニラとかを絡めたほうがいいのかも?マニラは治安がイマイチという情報にびびって今回はリゾートだけに絞ったのだが。
帰りのフィリピンエアはフィリピン団体旅行帰りのおじさん集団が近くに乗っていて、朝から酒を飲んで大騒ぎで完全にはまる。いかがわしい話題なんかも大声でしている。フィリピン人も乗ってるんだし、微妙な時期だし、日本のイメージダウンに直結するので、マジで自重して欲しいとムカムカするが止まらず。あまりに腹が立つのでヘッドフォンの音量を高くして、読書に没頭しているうちに、いつのまにか寝てしまった。
なんのかの言いながら無事、成田空港到着。
日本の空気はやっぱりいい。
やっぱり落ち着くわ。日本は。
こんなに緊張感なしで暮らしていける国ってなかなかないんじゃない?
私は今までの人生、過去5回、財布をなくしましたが、なんと4回帰ってきた(うち2回は大学構内で落としたものですが)!1度は路上に落ちていた財布の中を見た人がわざわざ電話をしてきてくれました。警察に届けると色々書いたりメンドクサイだろうから、とのことで。1度は金目のものは抜かれて免許証、クレジットカードなどが入った状態でポストに投函されていた、と郵便局からの連絡をいただきました。悪ながら気を使った、ということだろうか?ともかく、この道徳心の高さは他の国ではありえないのではないか。人に優しくするためには自分に余裕がないとできないもの。もっともっと余裕のある社会を実現して、もっともっと人に優しい人がたくさんいる国になればいいなぁと思う。
などと考えながら、新宿行きのリムジンバスに乗車。
不幸にも渋滞に巻き込まれる。
成田エキスプレスで帰ればよかったかな、と考えているとき後ろのほうが騒がしくなっている。
ドライバーに「あと何分か?」と激しく質問している。
中国人の団体のようだ。「成田エキスプレスに乗ったらもっと早くついたのではないか?」などと盛り上がっているようなので、ドライバーに日本語で質問をしていた女性に、たまたま持っていた空港への交通案内&成田空港内の構内案内のパンフを進呈する。
なにやらSMAPのファンの皆さんのようだ。一刻も早く買い物やなんかがしたくてたまらないらしい。
ビックカメラが見えてくると「ビックカメラ-!」と歓声があがる。ビックカメラ、人気のようです。
「日本を楽しんでくださいね!」
と握手をしてお別れする。
いがみあってばかりじゃ何も解決しないから、こういう市民レベルでアジアの近隣諸国と仲良くしていったらなんかが変わるかなぁとちょっと期待しつつ、私たちのアジアな夏休みは終わろうとしていた。
おわり