森永卓郎氏の著。
前作でミリオンセラーとなった「年収300万時代を生き抜く経済学」は読まないうちに機を逸してしまいましたが、続編のこちらもなかなか面白かった。
森永氏自身、東大卒、JTから経済企画庁へ出向などを経て、現在UFJ総研の主席研究員という肩書きであり、いわゆる「勝ち組」。
しかしながら森永氏は非常に繊細な目で世の中をみつめる。
人の痛みを単に人ごとととらえることはできない想像力の持ち主だ。
現在の小泉内閣の”構造改革”の結果出現する、金持ちと貧乏人に二極化されつつある社会に強く警鐘を鳴らす。
そして、いっそのことこのままの調子で社会改革が進むなら、皆必死に勝ち組みを目指すことなどはとっととやめにし(勝ち組教育には「無理」に正比例して莫大な費用がかかる)、いっそのこと最低限のことしか社会に貢献しない年収300万組を目指せばいい、と。
この社会で「勝ち組」を目指すためには同僚をあざむき、部下の手柄を我が物とし、全ての良心をかなぐり捨てなければならない。それでも勝ち組になれるかどうかは分からない。そのストレスとリスクが苦にならない人間は幼少期より莫大な教育投資をして勝ち組を目指すがいい、と。
年収300万なら実質所得税は払う必要はない。
国民皆年収300万で、ゆとりをある生活を皆が目指したほうがいい、というのだ。
森永氏は巻末で言う。
「私は今、高級官僚、政治家、企業経営者、大手マスコミ。いわゆる金持ちと言われる全ての人と付き合う機会があるし、今現在の所得水準は彼らと同等にある。ただ、実際の金持ちの生活に触れてみて、私はそうしたものにほとんど感動を覚えなかったのだ。値段の差ほどに満足度に差を感じることができなかった。それに私は今の私の収入はバブルだと思っている。もともと好きでもない上、リスクが大きすぎて、私は金持ちの仲間にとても入る気になれない。」
「私が友情を感じるのはB級品コレクター仲間。まず金持ちはいない。人間というのは一人では生きられないから仲間が必要だ。デフレ不況は、弱い人たちを、私の仲間達を傷つけている。
私はそれが耐えられない。」
「いま、思いやりの精神がどんどんなくなりつつある。市場原理主体の弱肉強食社会では弱者は救うものではなく、踏み台にするものだからだ。そんな社会に私は住みたいと思わない。」
森永氏の提唱するのは極論ではあるが、このまま行けば必ずその日は来るだろう。
その時、アナタは、
勝ち組目指しますか?
それともレースを降りますか?
そうなる前に一人一人が強く問題意識を持つ必要がある。
こうなったのは全てとは言わないが国民一人一人の不勉強が問題なのだ。
もの言わぬ大衆からの脱却を目指さなければならない。
もの言わぬ大衆のままでいることは、即ち終焉を意味するだろう。
選挙を棄権したヤツ、無思考な組織票をぶち込むヤツ、自分の得だけ考えて票を使う地方の土建屋ほか、猛省を促す。
年収300万円時代を生き抜く経済学 給料半減が現実化する社会で「豊かな」ライフスタイルを確立する!
続・年収300万円時代を生き抜く経済学 実践編!―給料激減でも豊かに生きるための「新・生活防衛術」