鯨 統一郎 著 光文社
これは、アリバイ崩しのミステリーです。
と言っても、バーの常連客のバカ話で面白おかしく
進んでいくんですけどね。
「森へ抜ける道」という名の日本酒バーで、
私立探偵の工藤が調査する殺人事件を、童話や昔話を
研究している美人大学院生の桜川東子が、話を聞いただけで
お伽噺になぞらえて鮮やかな推理を展開するというもの。
浦島太郎、桃太郎、カチカチ山、さるかに合戦、
一寸法師、舌切り雀、こぶとり爺さん、花咲爺さん
の八つの昔話で、それぞれ事件を推理するのですが、
作者の昔話の解釈の仕方が興味深くて、なるほどと
思わされます。
「浦島太郎」は親が息子の浦島太郎を心配して作った物語だとか、
「桃太郎」では、桃太郎こそが鬼であるとか。
ただ、各々の話の前半にある昔のTV番組の話とかが
ちょっとウザイかな。(-"-;A
