「フェルマーの最終定理」 サイモン・シン 著 
青木 薫 訳 新潮文庫


アンドリュー・ワイルズは、ただのパズルオタクでは
ありませんでした。


10歳の時に町の図書館でフェルマーの最終定理の問題に
に出会い、挑戦を受けて立とうと思ってから20余年、
やっと証明に取り組む時がきました。


直接関係のない研究からいっさい手を引いて、
最低限、大学での仕事の責任を果たしつつ、
7年間、一人でその証明に取り組んだのです。


それは、栄光を自分一人のものにしたかったというのが
あったんでしょうね。


証明に取り組むにあたっては、谷山=志村予想という
日本人数学者の予想が大きく貢献してるというのが
うれしい。


あきらめないってすごいことだなと、つくづく思います。
はじめに証明を発表した後、問題点が発覚し、
それを直すのに更に1年費やしています。


さすがのワイルズもあきらめそうになりましたが、
とにかく、あと1ヶ月と問題に取り組んだところに
答えが見つかり、証明が完成します。


やったー! 読んでるこちらもホッ。晴れ


「フェルマーの証明は大いなる知性の勝利であって、
その一撃とともに、数論に革命が起こったという事実を
見逃してはなりません。私にとってアンドリューの仕事が
美しく魅力的なのは、それが代数的数論における巨大な
一歩だからなのです」by ジョン・コーツ


「ワイルズの証明は、現代の数学と未来へのインスピレー
ションとの完璧なる統合なのである」by ケン・リベット


ただ、パズルを解いたということだけではないんだね。
ワイルズの証明によって、他の証明への近道を数学者達に
教え、古代ギリシャにさかのぼる古典的な未解決問題も
調べなおせるようになったという。


心からそのすごさが実感できない私が残念だー。ガーン