一応別れてからも、上司と部下としての関係は変わらないままで。
 キスを交わす事がなくなり。
 夜は互いに別々に過ごすようになっただけ。

 部屋に来いとも来るとも言われなくなって。
 しつこく迫られる事もなくなった。
 楽しかった時間を思い出して、寂しく感じる時も確かにあったけれど。
 責められる事もなく、迫られる事もなく。
 あたしは心底ホッとしてた。

 抱き着いた時に無反応になってしまったのも。
 これは仕方ないって言うか、反応された方があたしも困るから。
 無反応で良い。

 上司としてはとてつもなく尊敬してる。
 だから、敬愛の意味を篭めて抱き着くのは相変わらず。
 いちいち反応される方が、あたしにとっては迷惑で。
 付き合ってた頃より、もっと気軽に抱き着けるようになった。

 良かった、良かった。
 そう本気で思ってたのに。
 突然、聞かされた話に。
 呆然とした自分に、何よりも呆然とした。


「なんて……?」


 束縛される事もなくなって、気軽に参加した飲み会で知らされたのは。
 最近の隊長のプライベート。


「通ってる女性がいるらしいですよ?知りませんでした?」


 あたしなら知ってると思ったと、恋次はまるで他人事のように話す。
 や、他人事なんだろうけど。
 何?


「…聞いた事もない、けど…」

「堅物の日番谷隊長も、やっぱ女性には興味あったんスね。まぁ、中身はオッサンですもんね、俺らは皆」

「それ、あたしもオバサンって言ってるわけ?」


 論点はそこじゃないけれど。
 そこも無視出来ない部分なので、一応は睨んでおいた。


「や、いや、そうじゃないっスけど、日番谷隊長の事ですよ!!」


 冷や汗かきながら、必死に弁解してる恋次を。
 あたしに暴言を吐くなと修兵が殴った。


「別に良いじゃねーか、日番谷隊長の事なんてどーでも」


 どーでも良くないって、今度はあたしが修兵を殴る。


「知らないし、聞いてないわよっ、何よそれっ」


 まだ二週間くらいしか経ってないわよ?
 別れる直前、あんなにしつこくあたしにキスしといて。
 この胸まで触ろうと躍起になってたくせに。
 もう他の女?

 早すぎでしょ。


「いや、怒られても…俺も聞いた話なんで……」

「聞いたって誰によ」

「うちの隊長っス。なんで、確かな情報だと思います」


 信憑性100%って自慢気な恋次に、納得してしまった。
 朽木隊長の情報なら、まず間違いはない。
 それにしてもあの人。
 人の色恋沙汰の事を口にするわけ?


「なんか心配してたらしいんスよね、あまりにも日番谷隊長が堅物だから」


 鏡見たら良いのに、朽木隊長。
 同じように堅物の顔が見れるわよ。


「だから嬉しそうに話してましたよ。日番谷が…とか言って感慨深そうに」

「そう…」


 確かに真面目で堅物だけど、あたしにはスケベだったわよなんて。
 口が裂けても言えないし。
 キス魔だし、とも言えないから、頷くしかないけど!!

 何なの、あの人。
 人の事を好きだとか言っておいて。
 随分と気持ちの切り替えが早いじゃないのよっ。

 良かった。
 流されたりしなくて。


「日番谷隊長って、でも…」


 チラリとあたしを見ながら。
 一緒に来てた七緒が音を濁す。


「何?」

「いえ、好きな女性が居るんだと、私は思ってましたけど……」


 言ってまたチラリとあたしを見るって事は。
 あたしの事を好きだと思ってたと言いたいってことだ。

 そう聞かされてたけどね。
 あっさり乗り換える事が出来る程度の気持ちだったみたいよ。
 とも言えないから、流した。

 胸を触らせてくれる女なら誰でも良いんでしょ。
 とも言えないしさ。


「メデタイ事じゃないですか。日番谷隊長も年頃ですし」


 あたしへとお酒を注ぎながら。
 殴って黙らせたと思ったのに。
 ヘラヘラと修兵はどこか上機嫌でウザイ。

 年頃って、そりゃそうだろうとしても。
 あたし達死神なんて、万年年頃じゃないのよ。
 何がメデタイのか全く解んない。

 すっごく面白くないんだけど。
 あたしの態度は本当にあやふやで、いい加減で。
 隊長の本気なんてちっとも理解しようともしなかったし。
 真剣に考えてもなくて、いつも何であたしなんだろって疑問だらけだったけど。
 
 あたしの態度があまりにも煮え切らないから。
 隊長に愛想尽かされたようなもんだとしても。
 たった二週間で、もう他の女の人のところに通う神経があたしには理解不能。
 そんなもんなわけ?
 その程度のもので、あたしにあんなに迫ってたわけ?

 超失礼だし、面白くない。


「悪いけど、あたし帰る」

「えっ、乱菊さんっ!?」


 修兵が注いでくれたお酒を残したまま。
 面白くない感情のままに立ち上がった。


「また誘って。じゃあね」


 隊舎に戻って、隊長が部屋に居るかどうか確認してみよう。
 確認して、どうしたいのか。
 どうするのか。
 そんな事は後で考える。
 ぐだぐだ考え込むの嫌い。

 あたしの態度は一般で考えたら相当酷いものだったとは思うわよ。
 隊長の気持ちを悉く無視したとも思ってるわよ。
 あたしに文句言える筋合いもないって事も解ってる。
 
 だけど、面白くなかったの。

 背後では修兵がしつこいくらい名前を呼んでて。
 煩いって思いながらも完全に無視して。
 面白くないって気持ちに突き動かされて、瞬歩で隊舎に戻った。






 続
 ■□■□■
 書いてる時っていつもノリノリで、しかもきっとニヤニヤしながら書いてるんだろうなぁ(笑)と思いますが、アプしようとすると、「おい、マジか…」と毎回自分で書いた話が恥ずかしくなってもんどりうってたりするんですけど、どうしてでしょうね。笑
 しかし、メロメロしか書けないし。。。メロメロ+シリアスな話書いてても、やっぱり恥ずかしくて仕方ないと感じるので、何をどうしたって恥ずかしいんでしょうね。
 そこは諦めるしかないのか…アプするのを止めれば良い話なんでしょうけど、それだとサイト終わってしまうがな。。。と思うので、毎回戦っています。戦っているんですよ!←二回言う。
 もういい加減慣れても良いだろうとも思いますが、慣れないので、ここは諦めていつものようにえいやでアプしています。いや、別に今回の2は恥ずかしくはないです。笑
 話が進むにつれて恥ずかしさが増して行くんですな・・・(遠い目)

 遅くなりましたが恋からにお言葉を下さった皆様、ありがとうございました。
 ちーちゃー、体調は大丈夫かな?いつもありがとうにゃりん!
 タイトルに反応して下さった方が多くてニヤリとしています。そう、裏も何もない。笑
 本当は「から騒ぐ恋」にしようと思ったんですけど、あ、並び違うけどそんな番組あったなと思い出したので、「恋から」にしました。最初の時点で「恋から」始まってたって意味と一応は絡めてはいるんですけど、いろいろ深読みして頂けて嬉しい限りですw
 きぃちゃ、いつも本当にありがとにゃーw近況も教えて貰えて、会いたい気持ちが膨らんで行くけど、いつも猫猫の拍手コメ欄を覗くのを楽しみにしてるにゃ!

 高校生の恋愛って今はどうなんでしょうね?20歳の子が職場に居るんですけど、彼氏居ない暦20年と言うので(とっても可愛い、無条件でハムスターみたいに愛でたくなる女の子なのに)、皆、奥手なのかなーともちと思います。
 25歳のITボーイ(綺麗な肌をした顔立ちの整った清潔感のある男の子)も彼氏いない暦・・・あれ?違う、彼女いない暦25年と言うし。まぁ見るからに草食系ちっくで、ガツガツしてそうには見えないので、今の若い子は皆そうなのか・・・と一部を見て思ったりしています。
 が、内情など解るわけもないので、まぁ良いじゃろうと思って高校生現パラを書きました。笑
 いろいろあるでしょうから、こんなのもあって良いかなって。でも、職場の子の様子を見てると、現パラたいちょと乱ちゃんの方がよっぽど進んでる。笑
 楽しんで頂けたお言葉に本当に励みを頂きました。
 今回は現パラではありませんが、メロメロ日乱を楽しんで頂けたら嬉しいです^^