「まぁ、結果無駄な我慢だったみてぇだが、お陰で耐性はついた」

「今まであまり、そう感じた事ないんですけど……」


 本命には違うとか?
 それってあんまりなんですけど!
 結婚までしといて!!


「自分の奥さんに何で我慢すんだよ?」

「ん?」


 んんん?
 あたし?

 んん?


「お前なぁ…お前以外に誰が俺に抱き着く?他に居たなら教えてくれ」


 居ない……。
 どう考えても、そんな部下は居なかった。

 あたし?


「結婚する時も言っただろ。ずっとお前だけに惚れてた……もう我慢しないと……」

「は、い……」


 確かに聞いた。
 その後がもう……目茶苦茶凄かった。
 足も腰も意識もガタガタになったもの。


「さっきの……あたしの事、ですか?」

「お前以外、居ねぇよっ!後にも先にもお前だけだ。俺に生き地獄を味合わせた女はっ」


 天然過ぎるにもほどがあるって。
 隊長はあたしの肩に顎を乗せて笑う。
 そうしてユラユラ。


「一つ気になるんですが……鉄の理性、普段は何処に?」

「箪笥の奥」


 そうでしたか……。
 それは今度、引っ張り出しておかないとっ。


「今は?」

「薬の力なんぞに頼らんでも、常に欲情しっ放しだ。仕事中ぐれぇは抑えられる」


 それが皆さん出来ないから、大事になってるわけで。
 血相変えて更木隊長ですら慌ててた。

 隊長は凄いの?
 それとも普段が酷いの?


「安心したか……?」


 ユラユラユラユラ。
 あたしを落ち着かせるように。
 隊長は揺れる。

 揺られながら、コクリ頷いた。


「安心したなら、もう泣き止め……俺の我慢にも限界はあんだぞ?」


 安心したからか。
 あたしは泣いてて。
 隊長は極力泣き顔を見ないようにって。
 背中から抱きしめて、ユラユラ揺れる。


「それじゃぁ、隊長……今も?」

「当たり前だろ」


 一度だけグイっと。
 腰を押し付けられて。
 よぉく、解った。


「あたし限定です?」

「昔っからな」


 あやすように。
 慈しむように。

 あたしを抱きしめ。
 隊長は揺れる。
 熱い体温のまま。


「今から言っとくが、帰ったら我慢しねぇぞ」

「いやぁ、今日は大掃除しなきゃならなくて」

「嘘つけっ」

「いやいや、本当に。箪笥の中も整理しないとですね」


 隊長の理性ってやつを探さないと。


「明日やれ……手伝ってやる」

「結構です」


 クスリと、どちらも笑ってた。


「……もう理性捨てて、ここでやっかな」


 何て卑怯な脅し文句!!


「総隊長ともあろうお方が、薬なんかに屈するわけがありませんよねぇ」

「総隊長にだって欲望あるしな……つーか、さっきまで襲って来ないって半ベソかいてやがったくせに、何だその急変は」


 背中越しに当たる隊長の笑い声が嬉しかった。
 
 結局、あたしは泣き止むまでトド座椅子の上で。
 執務室に戻ったら、笑顔で卯ノ花隊長が出迎えてくれた。
 ビシバシと総隊長の仕事までも進めててくれて。
 いつか乗っ取られるって隊長は笑ってた。

 卯ノ花隊長のお陰もあって。
 幸か不幸か、定時で仕事が終わって。
 あたしはイヤと言うほど飴の効果を思い知った。

 いや、飴の効果だったのか、何だったのか。
 隊長らしいと言えばそうだったような。

 とにかく、次の日は身体が動かなかった。

 


 一応の為。
 雛森に教えてあげようと思う。
 きっと彼女の事だから、隠し持ってるはずだし。
 あの飴は使わない方が良いわよって。









 終ってしまおう。
 20100910
 ■□■□■

 えー!?最後雛森締め?(笑)
 自分でも驚きます(;^_^A

 使ったところで報われないんでしょうけど。笑

 「我慢する隊長」が書きたくてですね。
 でも普通の我慢じゃない話にしたくて、こうなりました。
 結局メロメロなんだってお話です。

 新章のトド隊長は好き勝手書いてますが楽しいのですw
 乱ちゃんがちょっと泣き虫?
 結局は乱ちゃんもメロメロなんだってお話で。(;^_^A


 お付き合い下さいました皆様、ありがとうございましたww