過去拍手掲載小説
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俺ぁ、何見てたっけ、今。
あ!と思ったのは店のケースに入ってる。
ピアスってやつだった。
松本はピアスの穴は開けてない。
イヤリングや、えーっとあれ何て言うんだ?
首輪…じゃねぇな、首に付けてるやつの先に付けるやつ。
同じ石があるならと探したが、ピアスしかなかった。
松本の蒼、俺の翠。
二つの色が半々にくっついたような小さな石の。
身に付ける事は出来ないだろうが。
あのでっかい宝石箱を飾るには、良い石だと思った。
値段見て、驚いたが。
まぁ尸魂界にあるもんで、買えんもんなんてない。
「あ、もう決まりましたんか?」
市丸はまだ真剣に選んでくれていたようで。
大きな熊のぬいぐるみを持ち上げたところで俺が声を掛けた。
つーか、そんなでけぇぬいぐるみ、俺に持って帰れって?
無茶言うなぁ、こいつ。
「ああ」
「何にしはったん?」
「内緒だ」
言えば市丸はクスリと笑って、頷いた。
もう他の隊長連中は、何しに来たのかも忘れてるみたいで。
自分達の買い物に真剣なようだったから。
市丸と連れ立って先に帰った。
って言うかよ。
何買ってんだよ、俺。
どうすんだよ、これ。
松本に渡せってか?
どう言って渡すってんだよ。
「乱菊、喜びますやろ。日番谷はんが選んでくれたんやから」
「あ…あ、だな」
いや、それはどうかな。
あいつ、物で釣れない女だしな。
や、そうじゃなくて。
渡す意味が、ないんだよな。
「また今度、結果教えてなぁ。十番隊に行きますよって」
「んー…」
笑顔の市丸に気のねぇ返事をして別れて。
十番隊舎に戻った。
「お帰りなさい、隊長」
「おう」
執務室の襖を開ければ、笑顔の出迎え。
ほっとする。
別に、何か不安に駆られてたわけでもねぇが。
いつも松本の出迎えがあると、ほっとする。
「変わった事はなかったか?」
「あ、一件だけ。
街中で隊首羽織を着た人の蹴った物体が爆発したと、
緊急で被害請求の回覧が来ましたが、十二番隊だって
書き込んで回しておきました。幸い怪我人はいないそうです」
「さすが」
やっぱ松本じゃねぇとな。
他の奴じゃ、こうは対応出来んだろ。
「今日はいつもよりお時間かかりましたねぇ。
回覧の件と言い、隊長こそ隊首会で何か問題でも?」
俺、個人的にな。
「いや、別に隊首会はいつも通りだ。皆でちょっと買い物に行ってた」
「……皆で、って?」
「あー、京楽と浮竹と市丸と涅と、藍染……」
松本は茶を淹れようと立ち上がりかけていて。
俺の言葉が以外だったのか。
大きな瞳を真ん丸くして俺を見てた。
「何ですか、その面子……」
「知らん。気付いたらそうなってた」
「藍染隊長も一緒だなんて、珍しいですねぇ」
「俺もそう思う。相変わらずぞわぞわするわ、近寄ると」
解ります、解りますと松本は深く何度も頷いて。
「それならお疲れでしょう。すぐにお茶をお淹れしますね」
「ああ……つーかな、その前にな」
「はい?」
本来は明日渡すものなんだろう。
だが俺には、明日渡す理由がない。
「これ、な」
ポンと袋のまま、松本に投げる。
「これ、って」
「やる」
我ながら愛想の欠片もない。
仕方ない。
物を喜ばない女に、物やってどうすんだよ、だいたい。
「やるって……」
「いらなきゃ捨てろ」
「隊長から頂いた物、捨てれませんよ」
あれ?
何か思ってた反応と違うな…。
「開けても良いですか?」
「もうお前のもんだからな、好きにしろ」
俺って本当に愛想ねぇよなぁ…。
自分でも感心する。
「わぁ…綺麗ですねぇ……隊長とあたしだわ」
驚いた。
まさか一目で見破られるとは思ってなかった。
「嬉しいです。ありがとうございます」
「おう……穴、開けてねぇのに、悪ぃな……」
「いえいえ、とんでもない。いっその事、ピアス、開けちゃいましょうか」
莫迦かと。
気付けば言い放っていた。
続
2を読む
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やっと日乱の二人に。笑
掲載時は拍手ありがとうございましたw
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俺ぁ、何見てたっけ、今。
あ!と思ったのは店のケースに入ってる。
ピアスってやつだった。
松本はピアスの穴は開けてない。
イヤリングや、えーっとあれ何て言うんだ?
首輪…じゃねぇな、首に付けてるやつの先に付けるやつ。
同じ石があるならと探したが、ピアスしかなかった。
松本の蒼、俺の翠。
二つの色が半々にくっついたような小さな石の。
身に付ける事は出来ないだろうが。
あのでっかい宝石箱を飾るには、良い石だと思った。
値段見て、驚いたが。
まぁ尸魂界にあるもんで、買えんもんなんてない。
「あ、もう決まりましたんか?」
市丸はまだ真剣に選んでくれていたようで。
大きな熊のぬいぐるみを持ち上げたところで俺が声を掛けた。
つーか、そんなでけぇぬいぐるみ、俺に持って帰れって?
無茶言うなぁ、こいつ。
「ああ」
「何にしはったん?」
「内緒だ」
言えば市丸はクスリと笑って、頷いた。
もう他の隊長連中は、何しに来たのかも忘れてるみたいで。
自分達の買い物に真剣なようだったから。
市丸と連れ立って先に帰った。
って言うかよ。
何買ってんだよ、俺。
どうすんだよ、これ。
松本に渡せってか?
どう言って渡すってんだよ。
「乱菊、喜びますやろ。日番谷はんが選んでくれたんやから」
「あ…あ、だな」
いや、それはどうかな。
あいつ、物で釣れない女だしな。
や、そうじゃなくて。
渡す意味が、ないんだよな。
「また今度、結果教えてなぁ。十番隊に行きますよって」
「んー…」
笑顔の市丸に気のねぇ返事をして別れて。
十番隊舎に戻った。
「お帰りなさい、隊長」
「おう」
執務室の襖を開ければ、笑顔の出迎え。
ほっとする。
別に、何か不安に駆られてたわけでもねぇが。
いつも松本の出迎えがあると、ほっとする。
「変わった事はなかったか?」
「あ、一件だけ。
街中で隊首羽織を着た人の蹴った物体が爆発したと、
緊急で被害請求の回覧が来ましたが、十二番隊だって
書き込んで回しておきました。幸い怪我人はいないそうです」
「さすが」
やっぱ松本じゃねぇとな。
他の奴じゃ、こうは対応出来んだろ。
「今日はいつもよりお時間かかりましたねぇ。
回覧の件と言い、隊長こそ隊首会で何か問題でも?」
俺、個人的にな。
「いや、別に隊首会はいつも通りだ。皆でちょっと買い物に行ってた」
「……皆で、って?」
「あー、京楽と浮竹と市丸と涅と、藍染……」
松本は茶を淹れようと立ち上がりかけていて。
俺の言葉が以外だったのか。
大きな瞳を真ん丸くして俺を見てた。
「何ですか、その面子……」
「知らん。気付いたらそうなってた」
「藍染隊長も一緒だなんて、珍しいですねぇ」
「俺もそう思う。相変わらずぞわぞわするわ、近寄ると」
解ります、解りますと松本は深く何度も頷いて。
「それならお疲れでしょう。すぐにお茶をお淹れしますね」
「ああ……つーかな、その前にな」
「はい?」
本来は明日渡すものなんだろう。
だが俺には、明日渡す理由がない。
「これ、な」
ポンと袋のまま、松本に投げる。
「これ、って」
「やる」
我ながら愛想の欠片もない。
仕方ない。
物を喜ばない女に、物やってどうすんだよ、だいたい。
「やるって……」
「いらなきゃ捨てろ」
「隊長から頂いた物、捨てれませんよ」
あれ?
何か思ってた反応と違うな…。
「開けても良いですか?」
「もうお前のもんだからな、好きにしろ」
俺って本当に愛想ねぇよなぁ…。
自分でも感心する。
「わぁ…綺麗ですねぇ……隊長とあたしだわ」
驚いた。
まさか一目で見破られるとは思ってなかった。
「嬉しいです。ありがとうございます」
「おう……穴、開けてねぇのに、悪ぃな……」
「いえいえ、とんでもない。いっその事、ピアス、開けちゃいましょうか」
莫迦かと。
気付けば言い放っていた。
続
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やっと日乱の二人に。笑
掲載時は拍手ありがとうございましたw
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