第 2 問
債権者Xの保証人Yに対する保証債務履行請求訴訟に,主債務者Zは,Yを補助するため参加した。
1 | 第一審でY敗訴の判決が言い渡され,その判決書の正本が平成20年7月3日にYに,同月5日にZに,それぞれ送達された。Yはこの判決に対して何もしなかったが,Zは同月18日に控訴状を第一審裁判所に提出した。この控訴は適法か。 |
2 | Y敗訴の判決が確定した後,Yは,Zに対し,求償金請求の訴えを提起した。 仮に,Yが,主債務の存在を疑わしめる重要な証拠であってZの知らないものを所持していたにもかかわらず,XY間の訴訟において,その証拠の提出を怠っていた事実が判明した場合,Zは,YZ間の訴訟において,主債務の存在を争うことができるか。 |
第 1 問
警察官は,甲に対する覚せい剤所持被疑事件に関し,「甲が宿泊中のホテルの客室」を捜索場所,「覚せい剤」等を差し押さえるべき物とする捜索差押許可状の発付を受け,同客室に赴いた。証拠が隠滅されることをおそれた警察官は,ホテルの支配人に協力を求めてマスターキーを借り受け,来意を告げることなく,マスターキーでドアを開錠し,同客室内に立ち入った。すると,在室していた甲が,ビニール袋に入った覚せい剤を持ってトイレに駆け込もうとしたので,警察官は,甲を制止して持っていた覚せい剤を取り上げ,その後,甲に捜索差押許可状を示した上,同覚せい剤を差し押さえ,引き続き同客室内の捜索を実施した。
同客室内には甲の知人らしき乙が居合わせており,同人がボストンバッグを携帯していたことから,警察官は乙に同バッグの任意提出を求めた。しかし,乙がこれを拒否し同バッグを抱え込むような態度をとったため,警察官は,乙の抵抗を排除して同バッグを取り上げ,その中を捜索したところ,ビニール袋に入った覚せい剤を発見したので,これを差し押さえた。
以上の警察官の行為は適法か。