こんにちは、メルカバです。

 

ご紹介するのは、「まんが日本昔ばなし」のホラー。

https://www.youtube.com/watch?v=kMPpjMzIw8g

作画のタッチが独特で、不思議な魅力を感じたので、調べてみると「加藤鏡子」という人が担当したらしい。

「うる星やつら」等に関わっていたと言う事で、コアなファンもいるようだ。

飛騨国の話とあるが、「十六人谷」というのは、富山県に実際にある。




話は、弥助じいさんの回想で始まる。

若き日の弥助は、木こり仲間を巨大なウワバミに喰われてしまい、命からがら逃げ延びたという経験をした。

ある日、泥酔して帰ってきた弥助の家に、美しい女が待っていた。

女は、弥助を含めた十六人の木こりが、明日、北又谷に行くことを知っていた。

そこにある柳の木は、絶対に切らないでほしいと、女が繰り返し頼むのである。

「心のやさしいあなたなら」とか美人に言われたら、そりゃー断れない。

しかし、一人対十五人ではなあ。説得は出来んだろうなあ。

翌日、北又谷を訪れた十六人の木こり。

まるで、映画「八つ墓村」のオープニングである。



そこには、それはそれは見事な、樹齢数百年の柳の木が大きく根を張って立っていた。

例の女は、現地にも現れたが、弥助に向かって頭を下げると、すっと消えてしまった。

さあどうする弥助。

「切らんでくれえ!!」と仲間に言っても、やっぱり聞いてくれないのであった。

柳の木は切り倒されてしまった。

その夜、木こり達は呑んだくれた後、妙な眠気に襲われて全員寝てしまった。

「グニョグニョ」という変な音に気付いて、弥助は目が覚めた。

弥助以外の十五人の木こりが、女に舌を抜かれて死んでいた。

この絵をゴールデンタイムに放送したんか~い。

女はディープ・キスをしながら、男の舌を引っこ抜くという、エロい殺し方をするのである。



夢うつつで美人が自分にキスをしており、直後に殺されるとは・・・。

そして、口から血を垂らした女が弥助に近寄ってくる・・・・。

弥助は女に山刀で一撃を食らわし、一目散で逃げ出した。


五十年後、弥助じいさんは、他の人間には見えない美しい女に、ブツクサと話をしていたのであった。

しばらくして、近隣に住む賄いの女が、弥助じいさんの所に握り飯を持ってきた。

賄いさんは、じいさんの家に入って愕然とする。

弥助じいさんは、いろり端で舌を抜かれて死んでいた。

しかし、その死に顔は、何故か「恍惚」としていたのであーる。

超美人に、ディープ・キスをされながら殺されたのだから、恍惚の表情も解らなくもない。さぞかし、年寄りには刺激が強かったであろう。

子供向けアニメでありながら、内容は全く子供向けでない所に、非常に好感が持てたのである。

放送当時、小さな子供と一緒に見ていたおとーさんは、どういう感想を持ったであろうか?