普段純文学なぞ読まない私です。
ただ、普段から何かつけて自然を満喫するために年に数回吉野の地を訪れる者として谷崎潤一郎の吉野葛とはいかなる作品なのかという事が今時分になって気になり、正月休みに読んでみた。

 

自分は吉野を何度も訪れているので、主人公のへの感情移入も出来、大変満足した作品だったのだが、果たして現代の世において吉野を身近に感じない人にとっても好い作品なのだろうかという事が気になった。

 

私がこの短編小説を面白がっているのは吉野の地を少しながらでも知っているからなのではないだろうか。

 

それとも昭和6年に連載されたというこの作品。
当時、吉野という地は歴史深く、様々な物語や歌の舞台にもなり、何かと当時の人々の関心を集めた場所だったのかもしれない。

 

時代へて、平成最後の年にこの作品を読んだのだけれども、今の時代の人たちが読んで、吉野の面白さに関心が芽生えるのであろうか。

 

そんな疑問を抱きつつ、私のお勧めの本となった谷崎潤一郎の吉野葛。

なかなか味わい深く、読後に吉野の光景にふける私なのである。