タランティーノ生誕祭

みなさん、ごきげんよう。

今日は「Pulp Fiction」を劇場でみるという贅沢をした。

ありがたいことに、劇場でみるのは今回で2回目。

 

1回目は数年前の午前10時の映画祭でみた。

このときはかの有名なダンスシーンがある、カルト的人気を誇る映画、くらいの情報しか知らなくて、

まあ有名やしみにいってみるか~くらいの気持ちで足を運んだ。

これがタランティーノ作品との出会いであり、衝撃的に楽しかったのを覚えている。

時系列がランダムにストーリーが進行していくのに、一つ一つのエピソードで出てくる登場人物は、

どこかでつながりがあり、ほとんどがくだらない会話劇なのに不思議と引き込まれていく…

なんて作品なんだ!と映画館に頻繁に行き始めたころに感激して、そこからタランティーノのフアンになったのだ。

 

2回目は今日。

タランティーノが還暦を向かえるという、半ばコジツケ的な上映企画だが、

私はそれでもいいから、もっと他の作品も上映してくれとまで思っている。

上映時間は18時からで、終わるのが21時を過ぎる映画にもかかわらず、ほぼ満席といった感じだった。

妹とはよく映画に関して情報交換をして盛り上がるが、自分たちが盛り上がるコンテンツは、

世間一般でも流行していると思い、映画館のチケットを予約するのも販売開始時にネットで待機してガチで取りに行ったり、

チケットが取れなかったらどうしようなど心配するのだが、

結局騒いでいるのは自分たちだけでいらぬ心配だったな…ということが多々ある。

しかし今回騒いでいるのは私たちだけでなく、世間一般的にも人気作品であるということがわかった。

ちょっとうれしかった笑

 

本当は去年の夏に特集企画として東京で上映されていたときに行こうと思っていたが、

あいにくコロナに感染してしまい、東京旅行を断念したため、みることがかなわなかった。

しかーし、今回こんな素敵な企画が開催されたため、わざわざ東京へ足を運ばずともみることができた。

マジ感謝。待っていましたという感じ。。。笑

欲を言えば、「Jackie Brown」も上映してほしい…笑

 

 

斬新なタイトルバック

私的面白い映画に共通している法則として、

「タイトルバックがかっこいい」と「エンディングへの入りが秀逸」がある。

「Pulp Fiction」はその前者である「タイトルバックがかっこいい」であると思う。

ダイナーで強盗を企むカップルが大声を張り上げてからのミザルー。。こんなかっこいい選曲あるかよ!

そして画面のしたから徐々に「PULP FICTION」という文字が上がってくるのだ。

黒背景にオレンジの印象的な文字。映画がはじまるゾという勢いがみている側に伝わってくる感じが好きだ。

 

 

食欲そそるハンバーガー

この映画をみた人は、ハンバーガーを食べたくなるでしょう。

実際に私がそうだ。

今日の晩御飯はみた後にマクドに行くと決めていた。

館内でポップコーンなんて邪道だ。(断定)

サミュエル君がおいしそうに食べるハンバーガーは「ビッグカフナバーガー」

タランティーノ作品にたびたび登場する架空のハンバーガー店である。

シーンのごく一部でもこの架空のハンバーガー店のロゴがみえたりと、芸が細かい。

 

 

 

 

今日はみた後、マクドに行って「チーズてりたま」を食べた。

店前にはてりたまの春らしい広告が出ており、行く道中には桜が咲いていた。

もう春は来ているのだな…と実感しながら、チーズてりたまを頬張り、映画の余韻を楽しんだ。

行った時間帯の影響もあるだろうが、周りを見渡すと学生ばかり。

地獄耳な私は周囲の人たちが話していることが割と聞こえてしまうのだが、

その会話が、本作品のくだらない会話劇のようだな…と少し面白く感じられた、笑

学生には恋の悩みが尽きないのだな…なんて思いつつ、おいしく食べた。

 

 

クセになり、何度もみたくなる

この映画に内容なんてものはあまりないように感じられる。

冒頭で”Pulp”の丁寧な辞書的意味の紹介がされていた。安っぽい紙の出版物のことを指すらしい。

安っぽい紙の出版物、深い意味はない、確かに日常で繰り広げられていそうな会話でストーリーが進行する。

フランスに行ったときのマクドナルドのメニューの言い方の話であるとか、

ボスの女房に手を出した男がどんな顛末をたどったのかの話であるとか、

そこらのインスタントコーヒーではなく、豆にこだわったコーヒーを淹れている話であるとか様々だ。

しかし、それぞれのエピソードに強烈な画が飛び込んでくるため、一度みたら忘れないであろう構成になっていると思う。

 

ある朝に起こった奇跡、オーバードーズ、八百長、ゲイの警官の最期、ダイナーでの朝食時のトラブルなど、

普通に生きていれば体験することはないだろうことばかりである。

今回、映画館に来ていた人の中には初見という人も結構いたのではないか?と思った。

私の横に座っていた人は友人と来ていたようだが、強烈なシーンで思わず目をふさいでいた。

うんうん、わかるよその気持ち、、となった。

 

深い内容がないのに、なぜ何回もみてしまいたくなるのか。不思議である。

深い内容ではないがために、ストーリーをほとんど覚えていない作品も結構あるが、

この映画はその強烈なシーンがみる人に強固な記憶を植え付けるのではないだろうか。

バイオレンスで上品とは言えない表現が多いが、みる人に強烈で鮮明な印象を与えていると思う。

 

私は私が想像するアメリカンがこの映画では体現されているから好きで、

それに憧れ、実際にアメリカに行ってその雰囲気を味わいたいと思っているから、何度もみたくなる。

パンプキンとハニーバニーがコーヒーをすするダイナー、

またそれはヴィンセントとジュールスが朝食を食べるダイナーでもあるのだが、とてもアメリカンである。

あの朝食のシーンが有名なダンスシーンよりも好きだ。

パンケーキにベーコン、そして砂糖のたっぷり入ったコーヒー。。。いい朝はいい朝食からなのだ。

ミアとヴィンセントが訪れるレストランも良い。

あのシーンでスティーブブシェミが出演しているのは最近まで知らなかった笑、まさかあのちょい役で出ているとは。

5ドルのミルクシェイクが運ばれてきて、バーボンも入っていないのに5ドルなんて高くね?と半信半疑なヴィンセントも、

思わず2度飲んでしまうおいしさ。。。飲んでみたい。笑

 

ボクサーのブッチを乗せるタクシーは、昨日みた「Taxi Driver」を彷彿とさせた。

幸運なことに昨日は映画館で「Taxi driver」をみた笑(客はほとんどオッサンだった笑)

夜の街を駆け抜ける黄色いタクシーが、トラビスの運転するタクシーと重なってみえた。

タクシーの窓の背景が合成されているのは、どこかヒッチコックを思わせる部分もあった。笑

ヒッチコック作品に多用されている、あの合成は画期的で面白いアイデアだよな~といつも思わせられる。

 

 

どこかでつながる各エピソード

この映画は時系列がランダムで、一見それぞれがつながっていないようなオムニバスな作品だと思われるが、

実はそうではないということがみているうちにわかってくるのが心地いいのだと思う。

そういった部分がどこか小説みたいに感じられる。私の好きな伊坂幸太郎作品のような。

別々の視点から語られるエピソードがやがて一つにつながっていく…。

こういったストーリー展開は当時は画期的だったらしく、カルト的な人気があるらしい。

 

マーセルスというギャングのボスにかかわる数名の人物のそれぞれに起こったストーリーが語られる。

そのどれもにその後どうなったかの詳細な説明はないが、

ここで出てきた話の後に、あれがあって、こうなっているのかもな…などと考えながらみるのが面白い。

そういった点もみればみるほど発見があって面白い(噛めば噛むほどおいしい)「スルメ映画」といわれる所以かもしれない。

 

 

 

 

ということで今回はクエンティン・タランティーノの「Pulp fiction 」について書いた。

今回のこの上映企画でタランティーノってええやん!となった方は、

ぜひ「Pulp fiction」だけでなくほかの作品もみてほしい。

バイオレンスな描写に対する、少しの耐性があれば楽しく鑑賞できるはずである。

(私ももともとは暴力的な映画は怖くてみれなかったが、今や何が怖い映画なのかわからない(麻痺))

 

こういった過去作を映画館でみられるのはとても貴重だから、

今後もこのような素晴らしい企画はバッチコイである。

 

以上今回はこの辺で

さよならっ!さよならっ!さよならっ!