東京ディズニーランドのごはんが「まずくないといけない」理由。 | 旅館復活大作戦!!日本全国の旅館に、もっと元気になって欲しくて始めた ブログよ。

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こんなことを言っても良いのかしら? と、生来の小心者の血が騒いで仕方ありません。みんな、本当はそう思っているんじゃないのかしら。でも、自分の周りで、あまり声高にそのことを叫んでいる人がいないものだから、あれ、あんまりみんな気にしていないのかな? 取るに足らないことなのかな? とおどおどしている部分もあります。

 

 

なんとなく批判めいたことを口にしづらいほど、ファンの愛が深いジャンルというものが存在します。なぜか、そのジャンルに対して可もなく不可もなくの立場の人間でさえ、「あの部分が好きじゃないんだよなぁ」と気軽に言いづらい空気があるといいますか。あれ、なんなんでしょうね。人の想いのパワーって、やっぱりすごいんだなぁ。もっと言うと、情熱の持つパワーって。「好き」という想いが「情熱」に変わって、その「情熱」の量が一定値を超えると、もう、周囲でただヘラヘラしているだけの人間をも巻き込めるようになる。いや、すごい。だからこそ、今から書こうとしていることへの風当たりを考えると、ちょっと怖い。

 

なんて言いつつ、タイトルにすでに書いてしまったわけですが。へへへ、すみません。

 

先日、久しぶりに友人とディズニーランドへ遊びに行ってきたんです。好きです、ディズニーランド。社会人になってからは特に。アトラクションの長い長い待ち時間を飽きさせないように様々なところで施された工夫は感動物だし、パーク内の装飾もストーリーがきちんとあって眺めているだけで嬉しくなってしまうし。それに、これは本当にすごいことだと心底思うんですが、ディズニーランドで受けた接客でイヤな思いをしたことが一切ないんですよね。「ピーターパン」に登場するウェンディのワンピースに似た制服を身に付けたお姉さんから、パイナップルとベーコンのピザを受けとりながら、そのことにふと気が付いた時、驚愕しました。そんなことってあるのかい? あるんですね、ディズニーランドなら。あの夢と魔法の王国ならば。

 

 

さて、じゃあ、もういいか。言いたいことを言っても。

 

 

これきっと、感じておられる方も多いと思うんですが(というより、暗黙の了解だと信じているんですが)、ディズニーランドのごはんって、イマイチじゃありませんか? 何がって、もちろん味が。いえ、もしかしたらわたしが無知なだけで、ランド内にも美味しい食事が取れるレストランもあるのかもしれません。でも、少なくともそこまでのディズニーファンではない、いわゆるライトユーザーのわたしには、その情報は伝わっていません。

さらに、わたしの記憶が確かなら、まだわたしがほんの幼い頃は、ランド内にお弁当を広げられるスペースがあったはずです。自宅から持参したお弁当を食べてOKの場所が。でも、その場所は現在はありません。ということは、自然パーク内で口にできるものはランドで購入した食べ物に限られるわけですね。わたしは、ランドで購入したハンバーガーから、元気のないレタスがだらしなくはみ出している様を見て、「東京駅で駅弁を購入すべきだった……」と悔し涙を流したことがあります。まぁ、その駅弁を持参したところで、ランド内で食べて良い場所はないのですが。

 

 

 わたしは、少食の割には食べることに妙な執着のある人間です。むしろ、たくさん食べることができないから、一度の食事にかける情熱は並々ならぬものがあります。自分で言っちゃいますが。胃袋に遊んでいる余裕がないため、毎度の食事は真剣勝負です。

 

 

 

確実に、ウマいモンを、食いたい。

 

 

食事の際に考えていることと言ったら、基本的にはこれだけです。だから、そういう意味で言うならば、ディズニーランドなんて、本当は絶対に来たらいけない場所なんですよね。有無を言わさずイマイチなものを食べざるを得ない過酷なアミューズメントパーク。それが、ディズニー・ランド。

 

ディズニーランドの、妙に歯にへばりつくハンバーガーを咀嚼している時、アツアツとは程遠いピザをほお張る時、「ミッキーの形をしている」ことに価値のすべてが集約したオレンジ味のアイスキャンディーにかぶりつく時。わたしはいつも、こう思います。

 

 

だが、これが良い。

 

 

うん、そうなんです。ディズニーランドのごはんは、うまくない。ちっとも。まったく。そして、ついでに言うなら高い。二、三度小腹を満たしただけなのに、明らかに軽くなったお財布を悲しみの目で見つめてしまうほどには、高い。食べ物の第一の価値は、栄養を摂れることで、第二の価値は美味しいことだと思うのですが、ディズニー飯はそのいずれも満たしてはくれません。ミッキー型の五穀米をあしらった健康プレートなどの類を見たことがありませんし、「トイ・ストーリー」に出てくる緑色の宇宙人をすり潰したというストーリーをバックグランドに持つグリーンスムージーなども、ついぞお目にかかったことはありません。あるのは、ピザ、ハンバーガー、ポテトフライなどの、オシャレ女子が毛嫌いしそうなものばかりです。これでは、質の良い栄養の摂取は望めません。しかも、ウマくない。栄養が摂れないうえに、ウマくない。どうしたもんでしょうか。大変なことだぁ。

 

 

けれど、やっぱりディズニーランドは、夢と魔法の王国なんですね。ここに、第三の価値が、食事における第三の価値が燦然と輝いているのです。この場所でしか、味わえない価値。他の場所では成立しえない、価値。

 

 

実は、このことに気がついたのは、一昨日のことなんです。三十も半ばの女ふたりで、「プーさんのハニーハントだけは絶対乗ろうね、きゃっきゃ」と目の下にうっすら刻まれたシワをシカトしてはしゃいでいた時に、思い至ったんです。

 

 

ああ、つまり、だからディズニーランドのごはんは美味しくなくても許せるんだ。むしろ、美味しいと困るんだ。わたしはそのことを確かめるべく、トゥモローランドエリアへ向かいました。

 

 

 

トゥモローランドエリアは、未来をテーマにしたアトラクションがひしめく場所です。宇宙、星、なんかスペース的な何か、ロボットなどがわんさと出迎えてくれるのですが、全体の色合いが基本的に「青」なので、ちょっと寒々しく見えます。そのトゥモローランドエリアの一角に、わたしの大好きなピザ屋さんはあります。宇宙人のトニーが経営するピザ屋で、我々地球人が店内でピザをぱくつける一方、銀河の果てまでデリバリーもしていて、業務範囲の広さはなかなかのものです。店内では、トニーがコクピットのような席に常に座っていて、あまりの仕事の多さにてんやわんやしています。(ちなみにその様子を見るだに、トニーはあまりキレ者の経営者には見えません)お店の中のあちらこちらに設置されたモニターには、このピザ屋さんのCMがバンバン流れています。「銀河の果てまで熱々のピザをお届けしまーす!」とかなんとか言う声が聞こえます。グローブのような形をした手型ロボットが休むことなくピザ生地をこね、チーズが吊り下げられて運ばれています。そんな様子を眺めながら、我々は気持ち程度にほんのりあたたかいピザをほお張るのですが、やー、全然ウマくない。銀河の果てまでデリバリーしてもらえるピザが熱々の一方、目の前で供される我々地球人のピザはまったくぬるいけれど、全く問題ない。むしろ、これが良い。大変良い。

 

 

なぜって、ディズニーランドの飲食店は、そもそも「飲食店」ではないからです。「コント」だからです。あれは、「もしもシリーズ」なんです。

 

 

「もしもシリーズ」、ご存知ですか? この言葉がどなた発祥なのかは分かりませんが、コントにおいては有名ですよね。「もしも、森光子さんがチアリーダーだったら」などの、かけ離れた事柄同士をかけ合わせて、ありえない状況を具体的に演じていくのがもしもシリーズだと思うのですが、ディズニーランドの飲食店は正にあれなんですよね。

 

 

「もしもおっちょこちょいな宇宙人がピザ屋を開いたら」

 

 

 

これですよ。もう、この一言に尽きます、ディズニーランドの飲食店の価値は。わたしはディズニーマニアではないので、あまりエラそうに語ることはできませんが、他のアミューズメントパークとディズニーランドの圧倒的な違いは、全てのものに「ストーリー」がある点だと聞きます。アトラクションにしても、なんの意味もなくグルングルン回るジェットコースターはありませんし、いわゆる普通の遊園におけるお化け屋敷ポジションである「ホーンテッドマンション」にも、きちんとストーリーがあります。「999人のお化け達が、わたし達お客さんを1000人目の仲間として迎えようとしている」というストーリーが。それはなにも、アトラクションに限った話ではなく、飲食店にもちゃんとストーリーがあるようです。先述した「おっちょこちょい宇宙人・トニーのピザ屋」にしても、「グランマ・サラのキッチン」にしてもそうです。なんの意味も理由もなく何かが存在することがありえない世界。それがきっとディズニーランドなのだと思います。そのすさまじい物語の力に酔いしれるのに、至極現実的である「味」というものは、むしろジャマなんです。

 

 

だって、大好きなので何回も例に出してしまいますが、「トニーのピザ屋」はそもそも宇宙人相手のお店なんだもの。味なんか、口に入れた時に「なにやら味がする」程度で十分なんですよ。むしろ、「我々地球人でも分かる味付けになっている」ことに驚愕すべきなんです。

 

 

考えてみてください。もしもシリーズの世界に入れるんですよ? それだけでも楽しくて胸が弾んで仕方ないのに、なおかつそこで食事まで取れるんですよ? 美味しさとか求めるの、野暮じゃない? むしろそれが美味しかったら、現実の世界に引き戻されない? 「ん、アンチョビ効いてて大人の味。ワイン欲しい」とか思うと、むしろ冷めない? ウマいもんは現実世界でイヤでも味わえるんだから、良いんですよ。ランドでは「もしもシリーズ」の世界に飛び込める喜びだけを噛みしめれば。いらない、ウマさ。ノー・モア・ウマさ。そんなものは夢と魔法の王国から電車で十五分も離れればイヤでも味わえる。東京駅の八重洲地下街でたらふく食えば良いんだよ、串焼きとか、酢モツとか。

 

 

 

はー、このピザ、ぬるい。栄養も多分あんまり摂れない。しかも、ウマくない。めっちゃイイ気分。サンキュー、トニー。

 

 

 

これが、ディズニーランドにおける「食」への向き合い方として正しいものとわたしは思うのですが、あなたのご意見はいかがでしょうか?