毎日小学生新聞編集部にご意見を送ってしまった…
毎日小学生新聞編集部のみなさま
毎朝、毎日小学生新聞を読むことを楽しみにしています。
大人の新聞より、ずっとわかりやすくいいことが書いてあるので 子どもたちが小学生から、中学生になり、高校生になっても購読を続けています。
さて7月6日、7日と上・下に分けて「知りたいお金」という特集記事がトップにありました。
7月6日の 大きなタイトルに
「物々交換から 貨幣・紙幣へ」とありました。
お金の話のはじまりには 必ずといっていいほど 物々交換が語られていて
それが歴史的事実のように語られています。
しかし コロンブス以降の時代、スペインとポルトガルの冒険家たちが金と銀を求めて世界中を探査すると…物々交換をしている土地を発見したという報告はどこからもありませんでした。
物々交換をしている原始的な村は古今東西 地球上には見つからなかったのです。
貨幣を使わない原始的な暮らしをしている部族の原住民は 貨幣としての貝や羽根を使って 物々交換をしているのではないのです。
物々交換が起きるのは、貨幣の使用に親しんでいるがなんらかの理由で貨幣を持っていない人たちの間であるのです。
今日、なぜ経済学の教科書が架空の村から始まるのか?それは 実在する村については語ることができなかったから なのです。
日本では2016年に以文社から出版されたD・グレーバーの「負債論」を読むと、古今東西 数々の調査でわかった事実からもとに お金の歴史がまとめられています。
わたしは2007年から、お金の仕組みを子どもたちにもわかりやすく伝える活動を行ってきていました。
わたしも物々交換の村の存在を信じて うたがわず 「お金の歴史」として、「むかしむかしあるところに 物々交換の村がありました…」という始まりで 絵本を描いて 2010年には自費出版までしました。
しかし、その はじまりの「物々交換の村がなかった」ということを 2021年にD・グレーバーの「負債論」を読んで 知り、衝撃を受けました。
そして2021年に「負債論」の一部をマンガの形に描いてみました。↓
7月6日付の毎日小学生新聞の記事は
“お金が生まれる前、人は作ったものを「物々交換」していたといわれています” とはじまっています。
たしかに “「物々交換」していたといわれています。” 「国富論」のアダム・スミスがそう言って、そしてそれは長らく信じられてきて、今もそう信じている人は多いです
膨大な時間と労力をかけて 「物々交換」は原始の村に存在しない ことをD・グレーバー氏は「負債論」で証してくださいました。
経済学の常識は 根底から変わってくると思います。
歴史は 時代が進むにつれて 新たな調査研究で 昔から言われてきた定説がひっくり返ってきています。
これからの新しい時代をつくる 子どもたちに新しくわかった事実を伝えていくのが大人の役割だと思います。
毎日小学生新聞の編集部のみなさまもますます 未来の子どもたちが希望を持てるような記事をこれからも書いてくださいね
中2、高1、高2の保護者