弱者が強者に勝つ方法 | ロメロの言いたい放題

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 「え!浦和引き分けたの?」なんてことは、スポーツの世界では当たり前のこと。圧倒的な資金力とタレントを要するビッククラブが、2部から昇格して来た「ヴェルディ」に先取点を奪われ引き分ける。こんなこともあります。

『ジャイアントキリング(番狂わせ)』を引き寄せる。

強い相手に勝つには、サッカーの優位性の基本を押さえておく必要があります。

サッカーは選手個人のクオリティだけで勝てる程、簡単ではありません。監督・コーチ・選手が、サッカーの優位性を「意図的に」生み出すことで、試合を優位に運ぶことが「番狂せ」を引き起こします。

東京ヴェルディが、J1昇格を掴み取った試合を思い出して欲しい。
試合は、球際の勝負で「清水エスパルス」のファール(PK)を誘い、ヴェルディの得点で決まりました。そして、今季J1第1節・第2節でのPKによる失点で勝ち点を逃しています。ヴェルディの戦い方は、今季を象徴するようにハードワークを怠らず守備を固め、攻めてもしっかりと狙いを持った攻撃を続け実を結んでいます。さて東京ヴェルディは、激闘の1年間をどう戦い抜き、勝ち点を積み重ねていったらいいのだろうか?

 

ジャイアントキリングが起こる条件

戦術家は、紀元前500年ごろの中国春秋時代の軍事思想家孫武の作とされる兵法書「孫子(そんし)を参考にしています」。

サッカーブラジル元代表監督スコラーリが愛読した書物として有名です。その中で以下の一文があります。

 

『勝つべからざるは己に在るも、勝つべきは敵にあり(不該取勝的在自己,該取勝的在敵人)』 

 不敗の形成を作れるかどうかは自軍の努力次第によるが、勝機を見いだせるかどうかは敵の態勢にかかっている。

負けないチームを作ることは自分たち次第ですが、勝つためには相手の態勢が崩れている。または崩れ始めている状況が必須条件です。そして、その隙を逃さないことが重要となります。特に個人のクオリティで劣る場合、個人同士の真っ向勝負では勝率は下がってしまうでしょう。

「孫子」に興味深い一文が残されています。

『兵法は、一に曰く度、二に曰く量、三に曰く数。四に曰く称、五に曰く勝。地は度を生じ、度は量を生じ、量は数を生じ、敵は称を生じ、称は勝を生ず』

サッカーに置き換えると、国土の広さ=市場の広さ(J1とJ2では回せるお金の桁が違う)、食糧生産の量=資金力、スタッフの多さ=選手やスタッフの質と量。

この3つが、敵との戦力バランス=チームの実力差を生み出し、勝敗がどうなるか=勝敗に影響します。つまり資金力やブランドのあるビッククラブは圧倒的優位な状況であり、勝つことが当たり前と言うことです。

弱小チームが圧倒的不利な中でジャイアントキリングを起こすためには、相手が崩れることが必須条件です。個人で劣るなら、4つの優位性を理解してチームで相手を崩すことが必要となります。

 

東京Vに再び悪夢…勝利間近の試合終盤にPK献上

浦和は、2月23日に0-2で敗れたサンフレッチェ広島戦と同じスタメンを今季就任のペア・マティアス・ヘグモ監督が送り込んだ。一方の東京Vは、2月25日の開幕戦で横浜F・マリノスを相手に試合終了間際まで1-0でリードしながら1-2の逆転負けした。それでも東京ヴェルディは、昨季2位の相手に昇格組ながら際どいゲームを演出した。このゲームでは開幕戦から両サイドバックが変更となり、DF山越康平とDF深澤大輝が起用されました。

序盤から浦和がボールを支配する時間が長くなったが、なかなかゴール前での決定機を生み出すには至らなかった。そうした中で東京Vは、前半40分過ぎに立て続けのコーナーキックを得ると、左右に揺さぶるような高いクロスの連続から最後は木村が振り向きざまのボレーを蹴り込んだ。これで東京Vは、2試合連続の先制ゴールとなり1点リードを奪ってハーフタイムに突入した。

後半に入るとヘグモ監督は、MF小泉佳穂を右ウイング、MF関根貴大を左インサイドハーフにシフトしたが、思うように攻撃のテンポが上がらない。後半16分3枚替えで、FW興梠慎三・MF岩尾憲・DF大畑歩夢を送り込みました。アタッキングサードに入る回数こそ増えたが、そこからの崩しの精度は高まらずに決定機が生まれない。

ヘグモ監督は、後半37分にプレーメーカーのMFサミュエル・グスタフソンを下げ、FW髙橋利樹を入れて前線を増やすスクランブル体制にした。すると後半43分、ゴール前に飛び込んだ大畑が、倒されてPKを獲得した。これをDFアレクサンダー・ショルツが決め、後半44分の同点に追い付いた。東京Vは、2試合連続で勝ち点3を手にする直前に同点ゴールを許す展開になった。

 

東京Vの残り15分終盤の戦い方……ベストな戦術は適切な能力評価から導く

後半、残り15分で城福監督は「守備固めの選手交代」をしてくる。しかし、東京Vの交代選手は「守備には強いが攻撃には弱い」チームにとってはパワーダウンしてしまう。ボールを奪っても前線でキープ出来ない。負けている相手は、強者です。当然相手チームは、ベンチにそうそうたるメンバーを揃えている。相手チームは「パワーアップ」して来ます。そして、以前の様にアデェショナルタイムが3分程度であれば「頑張れ、走れ、もう少しだ」で耐えられたでしょう。

しかし、昨今のJリーグは、「VAR」導入され、アデェショナルタイムが「5~10分、平均で7分程度」有ります。そう考えると終盤残り15分と考えて送り出した選手たちは、最低でも20~25分耐えなければならなくなります。そうすると「疲弊した選手達」は、パワーアップした強者に押し込まれ、耐え切れずPエリア前でのファールによるフリーキック、ゴールライン付近まで持ち込まれコーナーキックが増えてきます。そして、何度か繰り返されPエリア内で身体が付いて行かず「ファール」が生まれる。そんな構図が見えてなりません。

城福監督の「終盤15分の戦いのセオリー」も大事ですが、もう一度「守備のキーマン」「中盤のキーマン」「攻撃のキーマン(山田・伊藤・染野)」を信じ交代しては如何だろうか?

しかし、本当に東京ヴェルディの試合は、「勉強になるし」「面白い」試合です。是非、皆さんも一度「東京ヴェルディ」の試合を観戦して下さい。次も観たくなりますから…。