【隔説】未来の記憶 第07話「予言の続き」幻夢熊吉/熊ブ社刊
「えっ!?何で分ったん…」
「ハヤク!ソッチノツクエノシタニ!」
そして瞬く間に揺れは激しくなった…。
◆イメージオープニング曲◆
Eu Tiro E Onda (feat. Shabazz the Disciple)
Marcelo D2
キンは祖国の南朝鮮は小さい地震が多い国だったため、しっかりした地震対策を
していたため、タンスなどは倒れず、2人にケガはなかった。
そしてそのアパートも最近建てられた地震対策万全のアパートだったので崩れた
りはしなかった。
私は揺れが収まったのを確かめた後、静夫と住んでいたアパートへ戻ったが、ア
パートは築10年の建物だったが地震対策がされてなかったので見事に崩壊してお
り…私はその場にうずくまった…。
「静夫さん…。」
「明光…」
「えっ…」
静夫は地震が来てすぐ危ないと思い、備えていた必要な物だけ持って外に出て助
かったのだった…。
静夫はキンを見て
「…この人がキン・タイ・コンか…」
と言い、私が頷くと
「そうか…」
とだけ言い、その場は一時異様なムードになり沈黙した…。
静夫はこの事態で住む先はないと分かっているので私は一緒に住まないか?と静
夫に言ったが、静夫は
「いや、俺は避難所に行くよ…その男に義理は作りたくない…」
と言ってそこを去った…。
その時、キンは静夫を見ながら何かつぶやいたが、私は気が付かなかった…。
それからテレビは各局娯楽は不謹慎だとし、一切制作・放送はやめ、報道番組ば
かりになり…ある地震学者、絵来小路山(66)が
『‟地球的規模で独自に調べた結果、7億年に一度のマグマ活発時期”とし地震が
起き、この後7億年は大丈夫だ。ノストラダムスはこれを予言したのだ…』
と説明し、他の国の地震学者もそれにならい報道したので世間はそれを信じるし
かなかった…。
そして迎える2000年/平成12年元旦…
年末からの特別番組では『我々人類はノストラダムスの大予言を乗り切って、未
来の道を繋いだ』と報道し、徐々にバラエティー番組やドラマを制作し放送した。
そして夏になり、夏を満喫するような曲も流行っていた。
その頃には、国は被災者に正式なマンションなどを住まいとして提供したりして
少しずつ元の生活に戻りつつあった。
そして一番変化があったのは私で…仕事の帰りに交通事故に合いそうだった幸崎
神子(32)と恋仲になって結婚し、男の子・雄太(0)が生まれ…
キンはその幸せを喜び、アパートを私らに譲り自分は別のアパートに住むことに
なった…。
静夫もそれに喜んでくれた。私は息子を見ながら
「この子のこのままの素晴らしさを…自分が守る…」
と思った。
それからは私にとって今までにない幸せであり、夢の様な毎日だった。
キンとはまだ前の現場仕事をやめていなかったので、毎日仕事場で合い、仲良く
していた。
それから20年が経ち…年号も変わり
2020年/令和2年4月…
私は52歳になっていた…。
私は静夫はある刑務所の出所者が出て来る扉の前で誰かを待っていた…。
つづく
◆イメージエンディング曲◆
Gal Costa - Por baixo (Tom Zé)
Espaço Gal Costa
※作品イメージとして載せただけなので、このシンガー他楽曲
関連の許可は了解・所得はしていません。
👪第07話の登場人物👪
私・明光(仮名)のち船山祐樹(52)現在
明光を引き取った男/岡町静夫(73)現在
■新しい登場人物/年齢は20年前
ある地震学者/絵来小路山(66)
私の妻/幸崎神子(32)
神子との子供/雄太(0)
🔧制作
未来の記憶™制作委員会2024
熊プ社刊
※今さらですが、今は禁句となる当時の差別的な風潮・セリフが出て来ますが、
当時の風潮を再現してあるので、ご了承下さい。
※この小説はフィクションであり、登場人物並びに会社名などは実在の物では
ありません。