【隔説】NETCLIX 第26話/最終回長文スぺシャル!「消された存在」幻夢熊吉/熊ブ社刊 | ベア吉のおもちゃトーク♪シーズン6 ~いいねはベア吉を救う~

【隔説】NETCLIX 第26話/最終回長文スぺシャル!「消された存在」幻夢熊吉/熊ブ社刊

「西田友則くんだね。」

「気持ちは分かるがダメなもんはダメなんだよ…人間だから…。」

「僕は命を懸けてジャンボルタンさんの復讐をしようと決めてやったんだから…」

「人の話は最後までちゃんと聞けよ!」

それを聞いた通りすがりたちは最後に驚いた!

「マジか!」

「まだ…」

 

 

第46話 最終話

西田の犯行は今や視聴率が取れるネタだと各テレビ局の報道で毎日の様に報道され

「画面に出ている画像は画面処理されていないか?充分調べてから報道しています

のでご安心下さい」のテロップも出し視聴者を安心させた上で報道した。

 

そんなニュースを警察署内で見た河崎は、西田の部屋の映像を見て急に口から泡を

吐き…その場に倒れた。

「ご…西田は…」

「河崎さん!な、何を見たんですか!」

「えっ!まさか!もう画像を見ても大丈夫なんじゃないのか?」

そして次々と他の刑事たちもその場に倒れ…騒然とした中、

「今の放送を見て沢山の視聴者が泡を吹いてショック状態になったとの通報が!」

と言う知らせも舞い込んできた。

そんな中、河崎のショック状態はおさまらず…他の刑事やその放送を見た職員たち

も次々と救急車で運ばれて行った…。

それを聞いた清水は搬送先の病院に駆け付け、命は取りとめた河崎を見て少し安心

した…。

「西田の事情聴取は俺がやりますから、河崎さんは休んで下さい。」

「いや、大丈夫だ…お前1人には任せられん…警視総監でさえビビっている事件だ

からな…」

「ちゃんと報告はしますから…」

何とか命を取り留めた河崎だが…顔は青ざめていた…。

 

清水が西田の取り調べを再開し、西田は何の抵抗もなく…あっさり自供をした…。

「…同志の事は僕も把握はしてない。リスト上でしか知らないから。色々と報道し

てるみたいだけど、画像加工の仕方とかASPDとかの元の文字形式はヘブン神前さ

んが考えたんで僕も基礎は知らない…だから解明は無理だと思うよ…」

それを聞いて唖然とした河崎は、病院を抜け出した河崎が入って来たので驚いた。

「河崎さん!まだ顔が青いじゃないですか!」

「俺をデスラー総統みたいに言うな!」

西田はその後も話を続けた。

「昨日の画像加工は僕じゃないよ…多分捕まっていない同志がやったんだろうから

僕はここに捕まっているし何も出来ない…僕を捕まえたら全部終わりじゃない…ネ

ットだと犯行を全部は特定出来ないから‟いたちごっこ”だよね…ふふふ…」

あっけらかんと話す西田に河崎と清水は呆れていた…『この子自体が事件の重さが

分かってない』と…。

「何故この事件を起こしたのか?最初から話せるか…?」

「僕は死刑になるんだ…残すも隠すもない…何でも話すよ…。ヘブン神前にされた

事もね…。」

そして、西田は河崎と清水の自分の身の上や、ネットでジャンボルタンを知った事か

らヘブン神前から受けた性被害までくまなく話した…。

 

ネット上=自身のブログで何を言っても取り合われない哀れなブロガージャンボルタ

ンをネットで見て知り…人と少しでも接しようとして長年に渡り書き続け、頑張って

いるのに悩みを書いても誰1人優しい言葉をかけない。死を考えている記事にも何も

言われない…それでもジャンボルタンが問いかけるも完全無視の世間…。

生きている意味も感じなくなって…‟死”を意識しながらも何とか生きているジャンボ

ルタンを無視した世間への復讐を…自分がジャンボルタンの代わりにしようと思った

と言った…ジャンボルタンの存在は消してはいけないのだと…。

 

「本当は世間の幸せを願ったヘブン神前も…コーシーキンも本当は優しい人だったん

だ…ジャンボルタンやそのジャンボルタンを支えた児島もあっけなく死んで…世間は

ただの読み物の様にして…死ななきゃ伝わらない…死んでも自分の事じゃないから…

月日が経ったらただの記憶だ…。人間の命の儚さは今の世間は分かっていない…恨む

のは世間になるんだ…。」

 

その後、捜査は進み…西田がジャンボルタンの遺体を埋めたと供述した場所でジャン

ボルタンの死体を捜索したのだが…

 

そこには遺体も骨も…何かの証拠も出て来なかった…。

 

再度調べたジャンボルタンが住んでいたマンジョンからも髪の毛一本も出て来ず…。

そしてネットで検索をかけてもジャンボルタンのブログやブログ名、ブログサイトも

昨日までヒットしていたが、今はもう完全に消えた様になり…SNSで問いかけたがネ

ット民たちは

「ジャンボルタン?誰それ?」

「読まれないブログなんて腐るほどあるし…」

と言い、冷たく…忘れ去られた様になっていた…。

 

その事を河崎と清水は取り調べ室で西田に伝えた…。

それを聞いた西田は食い気味に

「な、何で?ジャンボルタンはいたはずだよ…確かにこの世に存在したはず…実際会っ

たし、殴られたし…それにこの手で…ジャンボルタンを…僕が…僕の目の前でジャンボ

ルタンは…し…なのに…?」

と言った。

「俺らは手がかりを見ただけで…会っているのはお前(西田)とヘブン神前とコーシーキ

ンだけだ…でもIPの形跡を見た記憶はあるのだが…ネットで騒がれたはずの‟掲示板”さ

え今はヒットしないんだよ…もしかしたらこの世でジャンボルタンを知っているのは俺

ら3人だけかも知れん…。」

「…。」

「夢じゃない…それは信じる…。」

そう言う河崎の声に西田は

「ジャンボルタン…僕はあんたのために…あんたの存在を残すために…」

と言葉を詰まらせた。

「…。」

そして続けてこう言った。

「世間は…過去の話は存在まで消すのか…本当はいなかったのかな?ジャンボルタンは…

この世に生まれて来た意味って何でしょうね刑事さん…。」

「…。」

「…そんな人生は…」

 

ジャンボルタンは一体誰だったのか…?存在したのか?

 

河崎たちはそんな考えにまでなっていた。

まさか西田が作り出した想像の人物か?

西田の自供した…河崎と清水が見たあのジャンボルタンは…本当にこの世に存在してい

たのか?と思う程、今の世の中にジャンボルタンの存在は消えていた…。

 

だが、画像を見た大勢の人が死んだ事は現実としてあるのだ…。

 

「くそう…」

その場の3人の目に涙はもう少しでこぼれそうになっていた…。

「ジャン…ボルタ…ン…」

 

その頃ネットの中でこんな会話が交わされていた…。

「AIは良いよな…人の脳よりも早く秒でヤバイデータを削除処理出来るんだから…」

「危うい情報は全部消してくれたし…証拠が残らなきゃ罪にもならないし…」

「死体もアイツらが粉化して海にまいたらしいから分かりっこないしな…」

「俺らももう忘れたよな…ジャ…何だっけあのおっさん…」

「どうでも良いじゃん過去の事なんか…」

「またやろうぜ…西田には連絡するなよ…アイツはもう人間の心が出て役に立たないか

らな…これは人間の感情入ったら終わりだ。」

「実質アイツがボスだったがもう使えない…根っこは正論人間だから…仕方ないか…」

 

そして暗い鉄格子の中で西田は涙ぐみながらこんな歌詞の唄を歌っていた…

「まるで僕らはエイリアンズ…禁断の実ほおばっては…月の裏を夢見て…

キミを愛してるエイリアン…この星の僻地の僕らに…魔法をかけてみせるさ…

大好きさエイリアン…わかるかい…」

 

数日後…河崎は警察署の食堂でコーヒーを飲んでいた清水の元に来た。

その顔は必死だった…。

そしてこう言った。

「ジャンボルタンの遺体をどこに移したんだ!?」

 

おわり

 

※この話を締めくくるためにラストにキリンジさんの「エイリアンズ」の歌詞を使わせ

 ていただきました。ご了承下さい。

 

イメージ主題歌

(※勝手に使わせて貰っていますので、キリンジさまの承諾は得ていません。)

 

著者:幻夢熊吉

kumada original story 2023ー2024

発行:熊ブ社

NETCLIX™ 制作委員会

©熊プ社刊

 

■登場人物

主人公・刑事/河崎健司(52)

河崎の相棒・刑事/清水紘一(38)

第26話の主な登場人物

署内にいた被害に合う数名刑事

知らせを言った刑事/水野 昌(33)

刑事/奥谷正樹(58)

ネット上で会話する数名

 

※この作品はフィクションであり、登場人物や団体名、SNS等は現実には

存在しません。ご了承の上、お読み下さい。

波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波波

 

作者トーク♪

 

この世に生まれたて来た意味…

願っても、お願いしても誰にも相手にされない人生…

 

好き・愛も過ぎれば過去の事…で良いの?

 

今回でこの物語はは最終回になりますが、次回(5月6日)はこれまでのあらすじ総集編を

お送りし、その次(5月20日)は特別編をお送りします。

その特別編で全部が完結します。

 

新小説も始まっていますが…もう少し「NETCLIX」をお楽しみ下さい。

 

この小説で何か感じて話して下さる方がいましたら感想をお寄せください。

 

■放送日程■

・2024年05月06日(月)…NETCLIX あらすじ5 放送

・2024年05月20日(月)NETCLIX 特別編「西田友則の供述」放送