【隔説】未来の記憶 第04話「消された記憶」幻夢熊吉/熊ブ社刊 | ベア吉のおもちゃトーク♪シーズン6 ~いいねはベア吉を救う~

【隔説】未来の記憶 第04話「消された記憶」幻夢熊吉/熊ブ社刊

「星を作る…?何かの合図…?」

その時の私は何か怖さを感じ…駆け足で家に帰った。

 

◆イメージオープニング曲◆

Eu Tiro E Onda (feat. Shabazz the Disciple)

Marcelo D2

 

1985年/昭和55年6月2日…

その日は少し寒かった。私は静夫とバスに乗っていた。

私は17歳になっていて、1年前から静夫の仕事の関係で南朝鮮に行き暮らしていた

が静夫の任務が終わり帰国し…その帰りのバスの中だった…。

私はその1年間の記憶がない。

南朝鮮に行く事になり、南朝鮮の空港に降りて誰かに会って握手したまでは覚えて

いて、その先は帰りにも誰かに握手して飛行機に乗った後の記憶はあるのだ。

帰りの飛行機の中で私は静夫に

「僕は…全然覚えてない…」

と青ざめて言ったが静夫は

「お前は事故に合いショックで記憶が消えた…その前の記憶も戻ってないのだが…

南朝鮮でのお前は周りが驚く程優秀で素晴らしかった…それは俺が保証する。いつ

か思い出す筈だから…それまで考え込むな…考えても分からない事は無駄な事だか

ら考えるだけへこむからな…。」

と言って南朝鮮での生活の事は一切話してくれなかった。

世の中では歌謡曲が流行りどこでも流れり、時はチェッカーズがダントツな人気を

博しており、よく耳にした。

 

その後、私は近くの高校に編入した私は最初からクラスの雰囲気が気持ち悪く感じ

クラスの中に溶け込めなかった。

そして私はズルズルといじめられる形になった。

当時、戦後から友好関係が良くなかった南朝鮮を日本の報道が悪く報じた事により

南朝鮮のイメージが悪かった為、クラスメイトの山崎智也(17)は

「お前、南朝鮮に1年行ってた様だな…外人気取りか?あんな汚い国で暮らしたなん

てお前も汚い人間やなあ…」

と言い、クラスメートは薄ら笑いをした…。

それから露骨でなく地味に無視されたりして高校生活は苦しい物になった。

 

しかし文化祭の時期になり、私のクラスはその当時流行っていたC-C-Bの曲をコピー

バンドでやる事になり、楽器演奏をする生徒はすぐに決ったが…ボーカルは注目され

るので皆嫌がり私は半ばいじめの延長戦でボーカルをするよう言われ…練習もさせて

もらえず本番で歌う様に言われた。

当時気持ちが塞いでいた私は殆どテレビを見ていなく、それがドラマ主題歌とは知ら

ず…仕方なくその曲のレコードを買い聴くと、ノリの気持ちの良い曲で一発で好きに

なった私は、その曲をすぐに覚えた。と言うより既に知っていたかの様に私の中に入

って来た。

そして文化祭の日、生徒たちは私が本番で歌えず恥をかくと思い、それを餌にまたいじ

める気でいた…。

しかし、本番で私がいきなり上手に歌い出し…聞いた生徒や客たちは…

「これは…?」

「韓国語?」

「でもこりゃあ逆に新しいぞ!」

と騒ぎだした…。

そう、私はその曲を韓国語で歌ってしまったのだ…。

私の失敗を見る気だった生徒たちやバンドのメンバーはそれにドン引きしたが、演奏後

誰かが口笛と共に「良いぞ!かっちょよかったぜ!最高だった!」と叫んだため、場が盛

り上がり私は全校で有名な生徒になってしまった。

私をいじめようとしていたクラスメートたちも、これはいじめたら自分の品位が下がると

思い、どさくさに紛れて私に優しくし出した…。

‟日本の高校生、韓国語でC-C-Bを歌う”

その話は南朝鮮のニュースで流れた。

当時の南朝鮮は、その曲は人気で南朝鮮の歌手が韓国語でカバーし、歌っていたのだ。

そのニュースを見た南朝鮮の誰かはこう言った。

「기억은 완전히 사라지지 않을까…」‟記憶は完全には消えないか…”

 

つづく

 

◆イメージエンディング曲

Gal Costa - Por baixo (Tom Zé)

Espaço Gal Costa

※作品イメージとして載せただけなので、このシンガー他楽曲

 関連の許可は了解・所得はしていません。

 

 

 

 

 

🍩1985年のヒット曲

 

👪第04話の登場人物👪

私・明光(仮名)のち船山祐樹(17)

明光を引き取った男/岡町静夫(54)

■新しい登場人物

南朝鮮で握手した誰か

編入した高校のクラスメート/山崎智也(17)

編入した高校のクラスメートたち(22人)

文化祭で演奏を聞いた人たち(大勢)

 

🔧制作

未来の記憶™制作委員会2024

熊プ社刊

 

※この小説はフィクションであり、登場人物並びに会社名など

 は実在の物ではありません。