モード変化

 

激しさ度★★☆☆☆

 

(僕:たつや 妻:じゅん 5歳娘:ゆり)

 

チュー妻は可愛い

 

明るくてよく笑う妻を僕は愛しく思う

 

 

ラブ娘は5歳

 

とても可愛い

何しても可愛い

 

妻も僕も溺愛している

 

そんな娘は妻をイライラモードに切り替える存在であることも事実

 

言うことを聞かない

ギャン泣き

 

幼児ならではの行為はどれも

妻を空腹のゴリラモードにさせるには十分なのだ

 

そしてゴリラと化した妻の

攻撃対象はもちろん僕

 

避けられようが当たろうが関係なく

ゴリラはうんこを投げる

 

 

 

ある晩

 

娘を寝かしつけた後

妻は2階から降りてきた

 

彼女の顔を見るまでもなく

階段を下りる音だけで分かる

 

僕はもはや一流の飼育員のようだ

 

扉の開け閉めや

水の出し方までも

 

音がまるで違う

 

いま聞こえる

ドンドンという音はまさか

両手で胸を叩いてるのではないかと

錯覚させられるほど

 

これはゴリラ

 

檻の中で暴れるゴリラ

 

寝かせた後

僕や息子が大きい音だすとめっちゃ怒るくせに

 

いつものことだ

 

扉を開けリビングに入ると

いきなり

 

「ご飯炊いてくれてないよね?」

 

ゴリラが聞いてきたので

 

僕「炊こうか?」

と聞くと

 

ゴリラ「いや、いい」

僕「…」

 

暫くの沈黙の後

 

ゴリラ「明日ゴミ捨て忘れんでよ

 そ れ く ら い は 」

 

最後のうんこを僕にぶつけた後

洗面台へ消えていった

 

檻の中にいるのは

僕の方な気がした