国家試験

こんにちは！

行政書士試験を受験された皆さま、お疲れさまでした！

やはり、国家試験の中でも合格率の低い、難しい試験だけあって、苦労された方も多かったのではと思います。

今は、今年の健闘を自らたたえながら心身ともにゆっくりと休めてくださいね。

そして、エネルギーが補給されたら、また次に向かって、勇んで歩みだしましょう。

それでは講義を始めますね。

今日は、使用貸借での借主の権利・義務についてお話しますね。

借主の貸主に対する権利としてもっとも中心的なものは、目的物の使用収益権です。

使用収益権と言いますのは、借りた物を使い、利益を受けることを言います。

「収益」とか「利益を受ける」というのがピンと来ないかも知れませんが、

例えば、Ｂさんは、Ａさんから自転車を借りたとします。

そして、その借りた自転車で、大学まで通ったとします。

すると、Ｂさんは、大学まで電車やバスを使わなくてよくなりますね。

つまり、交通費を支払わなくてよい、という利益を受けることになります。

「収益」とか「利益を受ける」というのは、こういう意味だと理解しておけばよいでしょう。

このように、借主は使用収益権があるのですが、

あくまでもそれは、その借りた物の性質から通常認められる使用方法で使うという範囲内で認められるものです。

例えば、自転車は「その自転車に乗る」というのが自転車の性質から通常認められる使用方法ですよね。

だから、自転車を借りたＢさんは、借りた自転車に乗ることはできますが、

借りた自転車を放り投げて遊ぶ(？！)、という使い方をすることはできません。

自転車を放り投げて遊ぶって、通常認められる使用方法ではありませんからね。

このように、借りた物の性質から通常認められる使用方法で使用収益しなければならないという義務を「用法遵守[じゅんしゅ]義務」と言います。

【図表】

民法の条文は、このようになっています。

【第594条第1項】
借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。

もし、借主が、この用方遵守義務に違反したため、貸主に損害が発生したときは、貸主は借主に損害賠償請求をすることができます。

例えば、ＢさんがＡさんから借りた自転車を放り投げて遊んだため、その自転車が壊れてしまった場合は、

ＡさんはＢさんに、「修理代金を支払え！」などを請求することができるんですね。

ちなみに、この用法遵守義務ですが、用方遵守義務という漢字が使われていることがありますが、

これは同じことを表しています。

民法が改正される前は、条文で「用方」という漢字が使われていたからなんですね。

今は民法の条文でも「用法」という漢字が使われているので、「用法」で憶えておいてオッケーです。

それでは今日はここまでです。お疲れさまでした。

いつもクリックありがとうございます！
とっても励みになります。

　　　↓

ブログ村に参加しています。
もしよろしければ，下のバナーをクリックしてくださいね。

にほんブログ村

使用貸借(4)