こんにちは!
それでは講義を始めます。
今日は,前回の続きで,国会議員の特権について説明しますね。
3.国会議員の特権
(1)不逮捕特権
では,次の条文を見てください。
【第50条】
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
このように,国会議員は,国会の会期中は逮捕されません。
そして,会期前に逮捕された議員は,その所属する議院の要求があれば,会期中は釈放しなければなりません。
ただし,例外として,法律の定める場合は,逮捕されます。
これは,国会法33条で定められています。一応,見ておきましょう。
【国会法第33条】
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。
つまり,
①院外での現行犯逮捕の場合
②所属する議院の許諾がある場合
この2つの場合は,不逮捕特権の例外として,国会の会期中でも逮捕されるということです。
ちなみに,院外とは,「議院の外」という意味で,「議院の会議場の外」というイメージを持っておけば良いでしょう。
さて,この不逮捕特権ですが,なぜこのような保障をしたかといいますと,
①議員の身体の自由を保障し,政府の権力によって議員の職務の執行が妨げられないようにすること。
②議院の審議権を確保すること
の2つがあると考えられています。
(2)免責特権
次は,議員の免責特権についてです。次の憲法の条文を見てください。
【第51条】
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
このように,国会議員は,その議院で行った発言や表決について,院外で責任を問われません。
これを免責特権と呼んでいます。
ここでいう「責任」とは,民事責任や刑事責任のことで,議院での発言のため,損害賠償請求されたり(民事責任),懲役刑に処せられたり(刑事責任)しない,ということです。
なぜこのような定めが置かれているかと言いますと,議員の発言が制約されてしまうと,議会に国民の意見を反映されなくなる恐れがあるからです。
(3)歳費受領権
最後に,歳費受領権です。これは,国会議員としての地位・職責にふさわしい生活を営むのに必要な歳費を受けることができる権利が,憲法で保障されているものです。
では次の条文を見てください。
【第49条】
両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
なお,この歳費受領権は「法律の定めるところにより」その額が決まります。この法律とは国会法のことで,国会法35条に定めがあります。
ですので,後に見る裁判官の報酬(79条6項)と異なり,法律の改正によって在任中に減額されることもあり得るということです。
試験でよく問われる点ですので,注意しておいてくださいね。
最後に,国会議員の特権ではないのですが,次の条文を見てください。
【第48条】
何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
これは,兼任の禁止を表しています。
つまり,衆議院議員でありながら,参議院議員でもある,ということは認めないということです。
それでは今日はここまで。お疲れさまでした。
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3.国会議員の特権
(1)不逮捕特権
では,次の条文を見てください。
【第50条】
両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。
このように,国会議員は,国会の会期中は逮捕されません。
そして,会期前に逮捕された議員は,その所属する議院の要求があれば,会期中は釈放しなければなりません。
ただし,例外として,法律の定める場合は,逮捕されます。
これは,国会法33条で定められています。一応,見ておきましょう。
【国会法第33条】
各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。
つまり,
①院外での現行犯逮捕の場合
②所属する議院の許諾がある場合
この2つの場合は,不逮捕特権の例外として,国会の会期中でも逮捕されるということです。
ちなみに,院外とは,「議院の外」という意味で,「議院の会議場の外」というイメージを持っておけば良いでしょう。
さて,この不逮捕特権ですが,なぜこのような保障をしたかといいますと,
①議員の身体の自由を保障し,政府の権力によって議員の職務の執行が妨げられないようにすること。
②議院の審議権を確保すること
の2つがあると考えられています。
(2)免責特権
次は,議員の免責特権についてです。次の憲法の条文を見てください。
【第51条】
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
このように,国会議員は,その議院で行った発言や表決について,院外で責任を問われません。
これを免責特権と呼んでいます。
ここでいう「責任」とは,民事責任や刑事責任のことで,議院での発言のため,損害賠償請求されたり(民事責任),懲役刑に処せられたり(刑事責任)しない,ということです。
なぜこのような定めが置かれているかと言いますと,議員の発言が制約されてしまうと,議会に国民の意見を反映されなくなる恐れがあるからです。
(3)歳費受領権
最後に,歳費受領権です。これは,国会議員としての地位・職責にふさわしい生活を営むのに必要な歳費を受けることができる権利が,憲法で保障されているものです。
では次の条文を見てください。
【第49条】
両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。
なお,この歳費受領権は「法律の定めるところにより」その額が決まります。この法律とは国会法のことで,国会法35条に定めがあります。
ですので,後に見る裁判官の報酬(79条6項)と異なり,法律の改正によって在任中に減額されることもあり得るということです。
試験でよく問われる点ですので,注意しておいてくださいね。
最後に,国会議員の特権ではないのですが,次の条文を見てください。
【第48条】
何人も、同時に両議院の議員たることはできない。
これは,兼任の禁止を表しています。
つまり,衆議院議員でありながら,参議院議員でもある,ということは認めないということです。
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