Voice of Cardsシリーズ第二弾「できそこないの巫女」をクリアしたので

ネタバレありで書いていきます。

 

ストーリーは

 

各地に点在している島は滅びの運命が待っている。

それを各島に存在している巫女が儀式をすることで防いでいた。

しかし「終わりの島」には巫女がいない。

なんとか島を救いたい主人公は

巫女としての能力を無くしてしまった喋れない少女ラティと謎の精霊と共に

他の島の巫女に助力を求めるために旅立つ

 

今作のヒロインであるラティなんですが

 

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うーん?なんでそんな服?

暑いのか寒いのかわからない。

と最初不満に思っていたんですが

 

 

幼少期のラティさん

 

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あらーかわいいね!!

服同じだね!!

ネグレストされちゃったから自分でリメイクしたのかな?!

と私の中で大好評。一気に服ごと好きになりました。

 

 

 

今回は4人PT。ちょっと嬉しい。

島ごとに巫女とその従者が仲間になってくれるうえ

2人の協力攻撃みたいのもあって戦闘の見ごたえがある。

東西南北の島へ行くから目的地もしっかりしているし

ゴールはスタートである終わりの島だというのもわかりやすい。

海はカードめくりやすくて移動が楽しいな!

ちょっとエンカウント率ばか高いけど!もう少し下げて!

 

そしてまぁ、お察しの通り巫女の儀式=死なので

行く先々で辛い気持ちになりましたね!!

 

このあたりの表現はVoice of Cardsの持ち味であるGMの語りのみ進むのが

とても良い仕事をしていました。

淡々とその場での出来事のみをGMの口から語られるので

自分なりの受け取り方ができました。

余計なノイズがないとも言えます。

だからその場にいるような深みが出て

よけいに心に響くストーリーになっていました。

 

でも、主人公の思考がよくわからない。

巫女の儀式をすると死ぬことがわかったのに

ラティの巫女の力を取り戻すための旅をやめようとしないし

ためらう素振りもみせない。

心の傷が原因で巫女としての能力が無くなっているから

巫女とかはおいといて心のケアは必要と思ったのかな?

でも心の傷が癒え、巫女の力が完全復活した時に

これで終わりの島を救えるねと2人で喜んでいたし・・

2人共意味わかってる?と思わずにはいられない。

 

そもそも主人公は幼い頃のラティを知らない。

同じ島の同じ村に住んでいたのに。

移住してきたのかもしれないけれどそれならどこから?など謎が深まる。

そしてラティとの恋愛が唐突に感じてしまった。

主人公の感情が出なすぎるのも問題かも。

てっきりラティに儀式をさせるための方便で

終わりの島の方に並ならぬ思い入れでもあるのかと。

そしてカードの裏面はサイコパスめな笑顔でもあるのかとも思ってたけど

そんなのはなかった。それは青の従者だ。

 

ラティの心の世界で巫女と従者達がふたたび仲間になってくれる。

でも結局ラティの心が作り出した存在だから偽物ということになるのでは?

生きている人達に会いに行っても特別な反応はなかったし。

戦闘画面で元気に攻撃しているすでに亡くなったキャラをみると

なんだか空しい気持ちになってしまいました。

 

ラスボスである精霊の王の目的はラティの心の世界。

巫女としての力が歴代でも一番強いラティの心に

精霊達を移住させようと計画していました。

巫女の命を犠牲にするという望んでいない行為に精霊達は疲れ果てています。

もうそんなことをしなくていいように

精霊の王が最後の犠牲者としてラティの心の世界を求め、

愛情の欠如によって壊れてしまった心の世界の修復に

積極的に関わっていました。

 

でも巫女を犠牲にしなくなったら島が消滅して

結局そこにいる人達と一緒に巫女も犠牲になってしまうのでは?と思った。

 

島の終わりには「島喰い」という存在が海から現れて島を消滅させる。

精霊達が心の世界へ移動したら「島喰い」は現れなくなった。

ということは精霊と「島喰い」は同じ存在ということなんだろうか。

だからこの世界から去ることで流れを止めようと思ったのか。

その辺りはなんとなくフワッと感じただけでよくわからず。

 

そして精霊が移住できるほどの心の世界を持っているなら

もしかしたらラティの心にいた人物達は

本物だったのかもしれないと改めて思いました。

魂の受け入れ先になっていたから母親もいたのかもしれない。

そう考えると巫女や従者達も偽物とは言い切れない。

生きている人と亡くなっている人が一緒に出てくるから混乱するけど

その方が納得できる。

 

最後にすべての事情を受け入れ、自ら精霊封印の要のようになり

不老不死となって眠りにつくことなってしまうラティ。

さらに愛の記憶の犠牲を強いられるんですが

友情、家族愛、恋

このうち2つ消すのをラティが選ぶという名のプレイヤーが選ぶ。

えーーー決めたくないーーー

 

最初は家族愛を残そうかと思ったんですが

この旅の始まりでもある主人公との思い出を胸に眠った方がいいのではないかと思い

結局恋を残しました。

友情は巫女達の記憶なので辛い記憶が半分以上あるから抱えるのはしんどいかも。

にぎやかではあるけど。

 

こういう犠牲エンドはあまり好きではないんですが

不思議と受け入れることができました。

おそらくGMの語りのおかげ。本当新感覚のゲームです。

 

そういえばドラゴンの島のクロエが出てくると知って楽しみにしてたんですが・・

黒の巫女と従者の生まれたばかりの赤ちゃんとして登場しました。

もしかして黒の巫女として出てくるのかと思ってたからびっくり。

そして巫女は難産の末お亡くなりに。

従者であるお父さんが「俺が必ずクロエを幸せに・・・」と思い詰めている雰囲気。つらい、この後成長したクロエが両親の仇としてドラゴンを追うことを知ってるからつらすぎる。幸せになってほしかった。

もしかしたら、出産中に村を襲いにきた沼地の魔物が火を吹くワーム族だったから

それがクロエに歪んで伝わってしまったのかもしれない。

巨体をくねらせ火を吹く=ドラゴン!とか。

実際は母親の死因には関係なかったけれど、父親の方はまだわからないからなぁ。

そしてお父さんはクロエと同郷であるヴァルツと見た目が一緒なのが気になる。

使いまわしならいいけど、いや書き下ろしてほしかったけど

もしかして母親違いの弟という可能性が。

なんにしてもクロエの家族周りは不憫すぎる。

 

 

そして「終わりの島」が「始まりの島」と呼ばれるほど時が経った後。

 

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えっなんですか主人公の子孫?!顔がそっくり!!!

 

 

どことなく服の趣味も似ている

 

いや、一生独り身でいなくちゃいけないわけではないけど

なんか流れとかあるじゃん!釈然としないなわぁ

せめて10年は引きずっててくれたかなーーー

 

いきなりの子孫登場に動揺しましたが、

精霊王の影に導かれ眠りについているラティをみつけた少年は

その姿に見惚れていました。

そしてラティの横には錆びた剣が寄り添うように置いてあります。

これはきっと主人公の剣。

ということはラティのそばで一生を終えたとみてもいいかも。

そして少年は主人公の裏面に記載されたので

もしかしたら生まれかわった主人公なのではないでしょうか。

これから新しい2人の冒険が始まるのかもしれないし、しないかもしれない。

してくれたらいいなぁ。

精霊王がわざわざ登場してくれたくらいなんだから

精霊達もラティの中で強くなったのかもしれない。

隠しボスの「古ノ災厄」を倒したけどこっちも眠りについただけみたいだし。

まだまだ冒険は終わらないのじゃよ。

 

全体的に昔の伝承、すでに終わってしまった物語を追体験したような感覚でした。

現在進行形だったら全員殴り倒して

ハッピーエンドをもぎ取ることもできたかもしれないけど

これはすでに終わってしまった過去の出来事。

だからこそ最後の少年とラティの未来の出会いに希望がわいてきます。

ただ主人公その人じゃないのが残念。

コールドスリープとか古の魔術とかでまた出会ってほしかった。

ファンタジーなんだからそこらへんはご都合主義でいってほしい。

・・そういえばこの作品ヨコオさんのシナリオだった。

ならまた出会えたことがハッピーなのかもしれない。