beija Flor  「エゾ鹿のすり流し」

イノベーティブ料理
今まで一度も美味いと思ったことはなかった。
一昨日までは。

「新しいスペシャリテが出来た」との知らせが届いた。
「エゾシカのビスク」

甲殻類のビスクが、最も広く知られていましょうね。

ル・マンジュトゥーの谷シェフの「ピジョンのビスク」、
オテルドヨシノの手島純也シェフの「ベカスのビスク」を、北海道生まれ北海道育ちの佐藤幸大が、札幌 beija Flor で
オマージュした一皿。
形になるまで、5年の歳月を要したという。

僕は、2/14に、手島シェフの「ベカスのビスク」を頂いて来たばっかし。脳裏にあの香りと旨味が鮮明に残った状態で、頂きました。

そのことが「吉」と出るのか… 或いは…

吉でした。
見事なオマージュでした。
「よくここまでやった」と、賞賛を惜しみませんでした。

殻から味噌からもう海老や蟹の「旨味という旨味を凝縮する」のが「甲殻類のビスク」。
鳥の骨から内臓から全て旨味を凝縮するのが、小鳩だと「ピジョン」、山シギだと「ベカス」。

甲殻類でやるのと、鳥でやるのでは、かなり労力に差があることは、皆様ご想像に難くないことでしょう。

これを四つ足の、それも1頭 数百kgの四つ足のジビエでやる…

今まで、誰も…
いえ、恐らくは「やってみようなんて思ってみた料理人なんかいなかった」んじゃないかな?

正に筆舌には尽くし難い労苦を、幸大は1人で(もちろん試行錯誤の段階から) 繰り返して繰り返して、とうとう完成にこぎつけた訳です。

ただこの「1人」は、営業店であるbeija Flor にとっては「2人」。 

店舗の毎日の掃除、予約電話の対応、ワインのチョイス・購入、接客、サーヴィス、皿やカトラリー、ワイングラスの洗浄から磨き上げまでの管理、マネージメント…の、要は「料理以外の全てを任せられる」beija になって新しく得たパートナー 久野寛司の力無くしては、決して形にはならなかった皿だった…  と幸大。

もちろん、他のお料理も、全ての食材、使い分ける水、温度帯に至るまで、科学的根拠に基づいた寸分違わぬ調理が施され、しかしてそれらの融合たる一皿は、決して押し付けがましいこともなく、よくこの分野に見受ける「はあ⁉️  や、こんなバカでかい皿も煙も要らねえじゃん😩」みたいなナンセンスな虚飾も皆無であり、きちんと美味しい。















デビューと同時に、
強く輝く魅力に溢れるレストラン beija Flor (ベイジャ フロール) 

是非とも札幌から世界へ羽ばたいて欲しいレストランである。