私には、もう、血のつながったおじいさんはいないけれど、奥様には、和歌山に、もうじき100歳になるおじいさんがいる。
ほんの2~3年前までは、おばあさんも健在で、数ヶ月前までは、現役の農家をやっていた。

わらぶきの屋根や、黒光りする柱や床板、義父が産まれたという離れや、ぽつんと外に建つ厠などなど、昔話の世界に出てくるような、立派な農家だった。

餅つきや、墓参りでおとづれた時など、90代とは思えないような体の切れで、しゃきしゃきと良く動くこと、当時の大学を出ていると言うだけあって、頭も良く回ることに、関心させられたものだ。

そのおじいさんが、入院したらしい。

おばあさんが亡くなった後、義父の誘いを断りつづけ、一人暮らしをしていたが、数ヶ月前に、自ら老人ホームに入っていた。

そうして、先日、足の静脈が詰まって、足が動かなくなり、歩けなくなっそうだ。ホームに入って、運動量が落ちたことが原因らしい。

どうやら、回復したあとも、寝たきりになりそうだとかで、今まで入っていた老人ホームには、戻れないらしい。

身重じゃなければ、すぐにでも、行かせてあげたいところだけれど、なんともやりきれない思いだ。
こんな時、離れていることを痛感させられる。

元気な時は、相当な距離も時間も、なんということは無いけれど、こんな時に、すぐ手が届かないというのは、つらい。

うちの奥様を、義父や祖父母の反対を押し切って、北海道にまで連れて来てしまったこと、あちらのおじいさんやご両親に、申し訳ない気持ちになる。

だからといって、別れるつもりはまったく無いのだけれど。

どこでもドア、どこかにないかなぁ。