乳癌になる5年くらい前から私は体調不良だった。


それなのに心も体もポジティブにしようと、あれこれ頑張っていた。漢方薬からアンチエイジングのプラセンタ注射、マツエクやネイル。夜間のテニス教室に参加したり、資格試験の勉強もした。老化を止めようと必死に頑張っても体調は下り坂でどんどん悪くなった。


そのうち不整脈が出はじめ、立ちくらみと目眩が酷くなった。

そしてある日、仕事中に顔から机にダイブして唇から出血した。ポタポタと血が垂れた。

私はあまりの恥ずかしさと痛みでヘラヘラ笑ってしまった。

突然机にダイブして血だらけのマスクでヘラヘラしてたり、腫れ上がった唇でお弁当食べたり。確実にホラー怖すぎる。

今思えば早退すれば良かった。なんなら数日休めば良かった。おばさんが焦ってる姿はさぞかし滑稽だっただろう。自分でも引く。私は焦ると判断力がダメになるタイプだ。


私の不整脈は期外収縮なので、放置可と判断するタイプの医師と回数や期間から積極的に治療するタイプの医師がいる。後者のタイプが主治医だったから、ホルター心電図を定期的に撮って内服薬も飲んでいた。


更年期のホットフラッシュは頭から汗が吹き出し、不整脈でいつも息切れして、鼻息は荒く立ちくらみでフラフラ。ついにはデスク横に扇風機を置いて寒くなっても風を当てた。こうなると体も心もバラバラた。


ポジティブになるには、まずは心だと思って、美術鑑賞や音楽イベントあとは自然に癒されるためにキャンプや旅行にもチャレンジした。

頑張ればポジティブな発言はできた、けど家に帰ればかなり落ち込んだし、体は疲れて机ダイブ事件が発生した。

何のためのポジティブだった?

プラセンタは?ミレーナは?漢方薬は?

もう何も分からなくなった。

身の丈に合わないポジティブは辞めよう!

心に誓ってみたものの、乳癌になって油断するとポジティブになろうとキモい行動に突っ走っちゃう。

癌のおばさん。今はおじさん風禿げだけど。

ポジティブは少しくらいがいいかなと思う。

しんどかったらしんどいもん。

遠隔転移してるか分からんし。抗がん剤の副作用まだ出てきてるし。


ただのボジティブ疲れです。