呪文です。難しいです。
「イットリウムバリウムカッパーオキサイド」
単なる昔話です。物理の苦手な方はすっ飛ばして下さい。
今からおよそ30年前の話です。
ある年、日本物理学会が「あるモノ」で大フィーバーしました。
それは
「高温超伝導」
です。
発表時はとんでもない代物としてすごく話題になりました。
そのためFも憶えたのです。呪文を。
実際にはその配合はまだ謎でした。
Y1.5 B1 Cu0.5 O2
のような配合です。(上の式(数字のみ)はでたらめです。ご注意を)
高温と言っても液体ヘリウムでなく、液体窒素の温度です。
ヘリウムに比べれば十分高温です。
当時は夢の物質でした。
超伝導状態は3日くらいしか持ちませんでした。作り方もいろいろでした。
Fはスパッタリングで薄膜を作り、超伝導半導体素子なんて想像しました。
(難しくて申し訳ないです。要は冷やせば卓上スパコンが作れるのでは?と思っただけです。単純に抵抗が0なので信号の遅延や発熱がありません。結構本気でスパッタ用合金まで販売されているのを見つけました)
少し前にJ.P.ホーガンのSF小説「星を継ぐもの」が流行って、ZORACというスパコンがみんなの夢だった時代です。(今でも漫画が販売されています)
#追加07.31
#続編のガニメアンのスパコンでした。
本日30日、久万高原町で「愛媛県理科教育研究会」が開催されました。
ロビーでポスターを展示していました。そこに液体窒素運び込まれたのを見つけました。
気になったので見ました。硬貨の直径くらいの金属が液体窒素で冷やされています。超伝導になった金属です。その上に小さな磁石が浮いています。
不思議です。宇宙の不思議と同じです。
もしやと思い「イットリウムバリウムカッパーオキサイド系ですか?」と質問しました。
妙な質問に担当者も困惑気味で最初は意地悪な質問と思われたかもしれません。
それでもいろいろ調べて下さいました。
当たりです。組成比も書かれています。
初めて実物を見ました。5mmくらいの小さな棒ですが、下に冷やされ超電導状態になっている金属と浮いている磁石。実物を初めて見たのです。
とても衝撃的でした。自分の疑問が30年の時を経て実物を見たのです。
不思議なものには何か理由があります。宇宙も、物理も、人間も。
リニア新幹線まで話が弾み、新幹線は結局液体ヘリウムのようです。
30年後の研究者の知力にお任せします。
とても小さいですが直径数センチと小さいですが価格は高いです。現実はなかなか入手できません。
その後「常温核融合」もフィーバーしました。
こちらは怪しくて結局無かったのでしょう。話はうやむやになりました。
いつ決着するのでしょうか。当時はできる派とできない派で二分されました。
#追加07.31
#後日、カミオカンデで実験して、ニュートリノが発生しないことが実験で確かめられました。
#要するに核融合は起こってないという結果です。
このとき名前がカッコいいという理由で「常温xxx」を使ったのがカントクくんです。
本人から直接聞きました。「常温対消滅エンジン」という名でノーチラス号の機関の名前になりました。ふしぎの海のナディアに使ったのです。
超電磁ロボはありましたが、超伝導ロボは無いですね。
超伝導電磁ロボってカッコいいかも?
結局、合体ロボが好きで呪文を憶えたわけです。(個人的理由で申し訳ないです)
#追加08.02
#電磁って「電場・磁場」ですね(正確には電磁場)。超電磁って「超電場・超磁場」?
#よく分かりませんが、すごいぞ「コン○○○○V」!
#超電磁兵器のヨーヨーはスケバン刑事(漫画)より先かも。
マジンガーの「超合金Z」と似ています。Y(イットリウム)なだけに「超合金Y」です。
写真は仕事場にケーブルを置いてしまったので、明日アップです。
液体窒素のスモークで見にくいですが、超合金Yが磁石が浮いています。下が超電導状態の超合金Yです。(T先生、校正ありがとうございました)