会席料理と聞いて、思い浮かぶのは『伝統・高級・敷居の高さ』。

ひとりでは入りにくいイメージ。

とくに私はためらいがありました。

 

理由は数年前の記憶。

とある、伝統工芸品の展示販売会に行ったときのこと。

入場制限もかけられておらず、興味があったので軽い気持ちで行ってみた私。

そして、販売員の方に言われたのは、「うちの業界はあえて敷居を上げているんです。敷居を下げると、興味本位で人は集まってくれるんですが、そういう人はすぐにいなくなります。そうすると、今まで熱心に来てくれていたお客さんまで離れていってしまうんですよね」ということでした。

当時は『あなたの来るところじゃないので、お帰りください』と言われた気分(考えすぎでしょうが)で、ちょっとしたトラウマとなりました。

 

けれど今回はT-1食べ歩きのついでに、トラウマも克服してみようと思い、会席料理のお店に伺ってみました。

 

【和食遊処 椿家 本店】

 

 

入店日時は木曜日の17:30

まだ開店して間もない時間帯。

 

入店すると若い店員さんが笑顔で、「カウンターもございますが、個室も空いておりますので、どちらになさいますか?」と、とっても丁寧に対応してくださいました。

おかげで一気に緊張が緩む私。

 

せっかくなので個室をお願いしました。

 

個室には窓がついており、窓の外は京都の日本庭園を思わせる作り。

 

 

 

さっそくエントリー料理を注文しようと、メニューを開くとそこには“第六回T-1優勝料理”の文字が。

その他にも“第三回入賞”といった料理もありました。

 

『ほうほう、このお店はT-1入賞常連店なのですな』と思うも、ふとある疑問を抱きました。

それはメニューにその年のT-1料理が、記載されているということ。

それはつまり、毎年作り変えているということ。

温かみを感じるメニュー。

しっかりした作りなので、毎回外注しているのかと思いきや、店長さんが毎回自作しているとのこと。

驚きです!

 

料理を食べるまえに、メニューで感動を覚えました()

 

 

注文後10分ほどで料理到着。

 

 

【麦豚ローストとんがりサラダ 950円】

 

 

 

(せっかくなので、エントリーメニューだけではなく、第六回優勝料理【麦豚の茸くわ焼き丼】も注文させていただきました)

 

 

 

サラダは見た目のとんがり感が印象的。

くわ焼き丼もネギの配置が芸術的。

両者とも、かなり映えます。

 

さっそくサラダを食してみて、驚いたのはその食感。

歯ごたえが固すぎず、軟らかすぎず、絶妙。

シナシナ食感は論外ですが、個人的には歯ごたえがありすぎて、盛大な咀嚼音が発生するシャキシャキ食感もちょっと苦手なので、このサラダの食感はちょうどいいです。

お年寄りにも、食べやすいんじゃなかろうかと思います。

 

また、細切り野菜をローストした麦豚の肩ロースに巻いて食べると、ガーリック風味のドレッシングとマッチしてとても美味しいです。

 

さらに、くわ焼き丼の茸とネギの甘味が、とても魅力的。

私好みです。

 

20分ほどで完食。

T-1食べ歩きにもかかわらず、野菜の味が印象的でした。

麦豚が野菜の味を引き立てているのでしょうか。

個人的には新たな発見です。

 

麦豚ローストとんがりサラダの主役は、お肉でも野菜でもない。

ふたりでひとりのヒーロー(意味不?)みたいな。

 

食後には、笑顔でお見送りしていただきました。

トラウマ克服と、新たな発見のあった食べ歩き。

今度は会社の上司と一緒に、正装で伺いたいと思います。

 

ごちそうさまでした!!