おふくろの ”匂いがわからない不安感” が
だいぶ 落ち着いてきたのでな
オレの気持ちも ちょっと開放的になってきた。
オレ おふくろの不安感を察知していたから
それがある間は 夜 必ずおふくろと共に眠った。
だけど この間も話したように
おふくろの不安感が ほとんどなくなってきたので
オレ 再び 夜出歩くようになってきた。
そして 夕べは外で眠ってしまったんだ。
「チコちゃ~ん お母さんもう寝ちゃうよ~」
「どうするんだ~い 戸を閉めちゃうよ~」
おふくろは 自分が寝る前に必ず声をかける。
その声で あわてて家に入れてもらうこともあったけれど
夕べは オレ 帰らなかったんだ。
以前にもあったことなので おふくろは
それほど心配しないで 一人で寝てしまった。
朝になって帰ってくると おふくろが
さっそくオレをつかまえて 足と体を拭く。
そうすると 必ず小言が始まるんだ。
「チコちゃん どこへ行ってたの?」
「朝帰りとは 何ごとだい?」
「まったく・・ 夜くらい帰ってきなよ!」
ブツブツと言いながら そこいらじゅうを拭くんだな。
オレは だまって 体をふかせる。
そのあと おふくろから逃げるようにして
朝ごはんを食べると そうそうに
二階のおふくろの布団に行って 寝てしまうんだ。
そうすると今度は おふくろ
二階まで追いかけてきて また話しかけるんだ。
「チコちゃんって かわいいねぇ・・」
「どうしてそんなに かわいいんだろうねぇ・・」
そう言いながら 寝ているオレの顔に頬ずりをする。
態度がコロコロ変わるんだ。
オレ 一晩いなかっただけなのに
ひさしぶりに会った感じなのかなぁ?
こういう日のオレは 死んだように眠る・・・
時には 夕方まで。
最後に 幼い魂や弱い動物たちが
痛めつけられない世の中になりますように・・・
心から 祈る。








