トイレを設置した

とは なんだか大げさだな。

 

 

 

しかし 家の中に

オレ用のトイレを置くことになった

 

 

 

ということは

オレにとっちゃぁ とんでもなく幸運なことだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり 

おやじのひと言で 話が進むんだな。

 

 

 

おふくろは

もう 動物はぜったい迎えない

 

 

 

と言ったてまえ 自分から

ああしよう こうしよう とは言いだせない。

 

 

 

じっと おやじの気持にまかせているだけ。

 

 

 

トイレを設置する ということは

夜も 家の中で眠れるように ということ。

 

 

 

トイレ・・・

 

 

 

おふくろは考えた。

 

 

 

大きめの箱を用意して

ボクサー犬の時に使ったシートをしいて

 

 

 

庭の砂場から 砂を持ってきて入れた。

 

 

 

おふくろ それから

玄関にトイレを置いて オレの様子を観察した。

 

 

 

砂があれば オレ 用を足せる。

ちゃんと にわかトイレのところで用を足したぞ。

 

 

 

おふくろ まずは一安心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日から

オレの 本当の意味の飼い猫人生が始まった。

 

 

 

それまでは 夜になると外に出されて

家の窓の下の 箱の中で寝ていたんだ。

 

 

 

オレにとって それは当たり前のことだった。

他の生き方を知らないのだから。

 

 

 

だけど 夜昼通して家の中で過ごせる

ということが どれほど幸せなことか

 

 

 

あの 厳しい何ヶ月かを経験しているオレだから

よーくわかる。

 

 

 

人間を恐れていたオレが

少しずつ 人間を信頼するようになって

 

 

とうとう 飼い猫になった。

 

 

 

最後に

幼い魂や 弱い動物たちが

痛めつけられない世の中になりますように・・・

心から 祈る。