今宵は 私の長ーい独り言 
いや ものすごーい長い独り言?笑

赤いマニキュアを塗ったその手で
先週 夫と2人 署名をした
胚凍結の廃棄同意書に…
これで もう本当に終わりなんだね…
ずっと長い悪夢を見てるようだった
今日まで いったいどれだけ
泣いただろう
この7年間 やばいくらい
きつかったなぁ…

7年前の秋
軽い気持ちとほんの少しの勇気で
産婦人科に行って 検査をした
検査結果は 夫婦ともに異常なしで
医師から そのうち授かるでしょうと
言われるも 結局 原因もないまま
高度医療まで挑むことになるなんて
あの時の私は 微塵も思ってなかった

ステップアップするたび
いちいち立ち止まって 迷って 悩んだ
そのたびに思った
異常ナシなのに なぜ?と

高度医療を考えてみてくださいと
医師から言われた時は 頭を鈍器で
殴られたみたいだった
まるで 崖っぷちのアスリートが
最終宣告を受けたみたいな…
夫に なんて言おうか…
どう切り出そうか…
いやいや 待って!
私 そんなのやりたくない…でも…
トライしてみなくていいの?
次は もしかしたら…
家に着いても 車から
ずっと降りられずにいた

この治療の恐ろしいところは
一度 レールに乗ってしまうと
感覚が麻痺してくるところだ
痛みにも 慣れる
慣れるというか なんと言うか
痛いのは ほんの数秒 数分だからと
そう言い聞かせて 痛みが引くのを
じっと目を閉じて
1・2・3・4・5・・・と
カウントできるようにはなった

高度医療まではしない そう2人で
決めてたのに 結局 高度医療を
目の前に ものすごく迷う私がいた
高度医療はしないって決めてたって
異常ナシと言われて呑気にしてた
あの頃とは もう次元が違う
原因不明の私たちには 結果が
出なければ ステップアップする他に
方法がないのだから…

悩んで悩んで 悩みまくった末
やっぱりやれることはやってみよう!
その気持ちのほうが大きかった
それと同時に もうこれ以上の
治療法がないことも意味してて
治療が怖くて 足が震えたのと
くっきりと終わりも見えた気がした

そして それからというもの
注射嫌いの私には  自己注射なんて
本当にハードル高すぎたんだけど
朝晩 切腹する武士のような気持ちで
欠かさず自分で注射を打った
私は バッチリ健康体なのに…と
やっぱり疑問を持ちながら…

何回かトライして 努力も実らず
その年の確定申告
医療控除の欄を記入して 愕然とした
この100何万が 何にもならずに
本当に何にもならずに 泡のように
ただただ 消えたんだと気づく
あぁ もうやめよう…
導き出した数字が合ってるかどうか
涙が滲んだ目と電卓で
何度も確認しながら
その時 はっきりと思った

そして 40歳になった私は
病院に行かなくなって
体も心もなんだか軽くなった
もう 今のこの私でいい
このままの私でいい
そう思うようにした
実際 そう思えてたし
けれど 私の〝たまごちゃんたち〟の
保管の期日が迫る頃 もうやめようと
決めた心が また少し翳りはじめる
でも 今 もうあの情熱はない
燃えかすが まだほんの少し
燻っているようなそんな感じ…
どのみち ベルギーに行くのだし
行ってしまえば 次の保管の更新は
できないんだし どれほど
悩んだって 心が翳ったって
本当にバイバイだ

あの頃の私には 悲しみの遺産にしか
思えなかった〝たまごちゃんたち〟
以前 私の友人が家に遊びに来た時
ふと たまごの話になって
見たことないから 見てみたいなと
言う友人に(そりゃ そうよね
大抵の人は見たことないわよね 笑)
これが たまごちゃんだよと
見せてあげた
彼女は 曇りない純粋な眼差しで
クルミちゃんが がんばったから
この世に誕生したたまごちゃん
すごく愛おしいねって そう言って
プリントアウトされた味気ない
そのモノクロの写真を撫でていた
彼女のそんな自然な仕草に
泣きそうになる

私 愛おしいと思って
撫でたことなんて なかった…
そうだね…
これも1つのカタチ
こうして たまごになって
私たち夫婦に その姿を
見せてくれてありがとう
ドラゴンボールみたいに願い事を
叶えてくれそうな7つ子ちゃんたち

この7年間 ずっと悪夢みたいだと
思っていたけど 今なら わかる
あの頃の私たち夫婦にとって
あなたたちは 確かに希望だった
いつもモニター越しで
直接 目にすることも触れることも
できなくて それは今でも
とても残念に思うけれど
僅か0.1ミリのその小ささで
私たちの心に 光をありがとう

私のお腹では あなたたちを
うまく育てられなくて ごめんね
ずっと冷たいところに
閉じ込めておいて ごめん

もういいよ
もう空に おかえり

バイバイ

本当なら 両手で包んで
サヨナラ言いたかった
こんな形でバイバイなんてね
ごめんね

そうして
私も そっと紙面を撫でてみた

バイバイ…


たまごちゃんたちが
お空に帰ることになって
心がパッと晴れたかと
言われれば そんな訳もなく
想いを馳せれば 今でも簡単に
ハラハラと涙はこぼれるし
このことは きっとずっと一生…
時々 顔を出しては 私の胸を
チクッと傷めるんだと思う
でも それでいい


お母さんになりたいと願う女性が
1人でも多く お母さんに
なれますように゚・*:.。. .。.:*・゜
私と同じように 願っても願っても
がんばっても がんばっても
お母さんになれなかった方
この悲しみが癒える日が来ることは
きっと ないでしょう…
でも ベストは 尽くしたんだもの
もう 自分を楽しませてあげましょう
私も もう誕生日が来るたび
1人でこっそり泣いたりしないわ
今年の41歳の誕生日は
作り笑いなんてしないで
祝福してくれる人の優しい気持ちを
心から ちゃんと受け取って 存分に
楽しんじゃうんだからヾ(*´▽`*)ノ


こんな夜更けに(っていうか 夜更けじゃ
なかったら 公開ボタン 押せなかった
かも!)私の長い独り言に お付き合い
くださいました皆様
ありがとうございました
明日からは 普通の女の子に(って
キャンディーズかっつーの!笑)
じゃなくて
普通のクルミに戻ります٩( ,,˘ ³˘)♥



最後に たまごを残してくれた
あの時の私と これからの私に
このフレーズを

Look how far you’ve come 
You filled your heart with love 
Baby you’ve done enough that
cut your breath 
Don’t beat yourself up 
Don’t need to run so fast 
Sometimes we come last
but we did our best゚・*:.。. .。.:*・゜