山野草の友人から頂いた、ツユクサ科 Commelinaceae、ツユクサ属 Commelina に属する、ツユクサ ( 露草 ) の花が咲いています。

 

葉に白~黄の斑が入った株です。

 

別名に、月草(万葉集など)、着草、蛍草などがあります。

 

 

ツユクサは、

北海道、本州、四国、九州 ( 沖縄本島以北) に分布しています。

 

山地の林縁、路傍、荒地などで、やや湿った所に自生しています。

 

国外は、

ロシア (千島列島~極東~ブリヤート共和国、アルタイ地方、東ヨーロッパ地区、中央ヨーロッパ地区、北コーカサス )、ウクライナ、南コーカサス、朝鮮半島、台湾、 中国のほぼ全土、インドシナ半島全域などに、分布しています。

 

学名は、

Commelina  communis  です。

 

シノニムは、

Commelina  communis  f. albiflora・・・シロバナツユクサ
Commelina  communis  var. angustifolia
Commelina  communis  
f. aureostriata
Commelina  communis  
f. caeruleopurpurascens
Commelina  communis  
var. ciliata
が、あります。

 

中国名は鸭跖草で、

下痢止め、解熱、利尿など、色々な症状の生薬です。

台湾名は、鴨跖草です。   

 

 

 

2018年7月1日に頂いた株の実生品です。

あちらこちらの鉢に、種が散らばって、よく増えます。

斑模様のでき具合を見て残し、植え替えます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・kulifの家にて

 

 

花の拡大です。( 花の構造が複雑なため、長々と書きました。)

総苞の中には集散花序があり、花が1本づつ出てきて、一日花になります。

花弁は3枚で、

上方左右で、円く青い花弁2枚と、下方で、見にくいですが、小さく先が三角に尖った白い花弁1枚があります。

萼片は3枚で、

上方に、小さく披針形の半透明の萼片1枚があり、 ( この写真では、判りません。) 下方左右に、円くお椀に見える半透明の萼片2枚があります。

雌蕊は、

花柱が長く伸び、右の青い花弁の中に、先端が黒くなった柱頭が見えます。

この雌蕊は、先端2本の通常形雄蕊以上に、花柱が長く伸びているため、この花は両性花です。 ( 雄花の雌蕊の花柱は未熟で、短くなります。)

雄蕊は、

3種 ( X字形雄蕊3本、Y字形雄蕊1本、通常形雄蕊2本 ) 計6本あります。 

X字形雄蕊は、花弁の付け根近くに、花糸が短く、花粉が空で、X字形状の葯があります。この3本の空花粉のX字形雄蕊は、虫を集めるために役立つようです。

 Y字形雄蕊は、

そこから少し離れた所 ( 中央に人の字のように見えます。 ) に、 花糸がやや長く、花粉が僅かに有る、Y字形状の葯があります。

通常形雄蕊は、

花糸が一番長いため、更に離れ先端の雌蕊の柱頭に近い所で、左右に広がり、花粉があり、通常形に見えるの葯があります。

 

 

横側です。

左から、半透明の後方の萼片、青い花弁、X字形雄蕊の葯、Y字形雄蕊の葯、三角に尖り上にカールした花弁の先端、通常形雄蕊の黒い葯、雌蕊の黒い柱頭が並んでいます。X字形雄蕊とY字形雄蕊の下の白~半透明は、前方の萼片です。

 

 

上から見ました。

白~半透明の萼片が、上に1枚、左右に各1枚見えます。

また、上にX字形雄蕊が3本、その下にY字形雄蕊が1本あり、その後ろに、先が尖った白い花弁が見えます。

下の方に花糸が長く伸びた通常形雄蕊が2本、その間に花柱が長く伸びて右へ曲がった雌蕊があります。

 

 

蕾です。

総苞も斑が入り、黄色くなっています。

 

 

葉の斑模様です。